田無駅のペデストリアンデッキが青に 世界自閉症啓発デーでライトアップ
「世界自閉症啓発デー」の4月2日、西東京市で共生社会をテーマに活動している市民団体「みんなの西東京」のメンバーが中心となり、「ライトイットアップブルー西東京2021」を開催した。(写真は、ブルーライトに囲まれた「世界自閉症啓発デー」のポスター。筆者撮影)
「世界自閉症啓発デー」は、2007年の国連総会で自閉症への理解を深めるために制定された。自閉症は病気ではなく、脳の発達の仕方の違いによる生まれつきのものだと考えられている。発症のはっきりとした原因は特定されていない。青のシンボルカラーは、「いやし・希望・平穏」を表し、世界各地でイベントやライトアップが行われている。
この日の午後5時、実行メンバーはまだ明るいうちから西武新宿線田無駅北口のペデストリアンデッキに集まり、ブルーのミニLEDライトを点灯する準備に余念がない。この日のために集めた空き瓶100個。市内3ヵ所に回収ボックスを設置するなどして、予定の数を約2週間で集めた。
ラックには、「世界自閉症啓発デーとはどんな日?」や「自閉症ってなあに?」といった疑問に答えてくれるリーフレットが差し込まれており、青や水色の風船でデコレーションされている。風船は小さい子に配れるように棒が結わえられていた。
2020年は新型コロナ感染症による緊急事態宣言で夜間外出自粛要請があり、ペデストリアンデッキのライトアップも中止を余儀なくされた。今年は2年ぶりの開催となり、ソーシャルディスタンスも配慮された。
イベントに先立ち、SNS では「青いもの」の写真の投稿の呼びかけも行われ、Twitter、InstagramやFacebook への投稿も多数あった。ハッシュタグは、#ライトイットアップブルー #世界自閉症啓発デー #LIUB #青いもの集め #西東京市。
「みんなの西東京」のメンバーの川嶋哲子さんは、最初はどれくらいの方に来てもらえるか心配だったという。「思ったよりも多くの方にイベントを見てもらえて良かった。初めて立ち寄ってくれた人もいた一方で、地域でつながりのある方がわざわざ来てくれて、久しぶりにお会いできた方もいた。コロナで久しく会えない日々だっただけに嬉しかった。これを機に自閉症について気楽に尋ねてもらえたら嬉しい」と語った。
今回のイベントに合わせて自閉症についての動画「あなたも間違っているかも! そーだったのか! 自閉症」も作成した。シナリオを書いた久松順子さんと一緒に川嶋さんもナレーターを務めた。うまく編集する自信がないと一発撮りで録音したという動画は、自閉症についてわかりやすく説明している。
西東京市は2020年から、自閉症・発達障害の啓発活動の一環としてスカイタワー西東京のブルーライトアップを始めた。この日も夜桜を照らし青くライトアップされた。日没後、家路を急ぐ人々の中にはしばし足を止めて、ペデストリアンデッキの青くゆらめく炎と、遠くの青く輝くスカイタワーを眺める人も見られた。
(卯野右子)
【関連情報】
・自閉症についての動画「あなたも間違っているかも! そーだったのか! 自閉症」(YouTube)
・ライトイットアップブルー西東京(みんなの西東京)
・みんなの西東京(Facebook)
・映画「僕が跳びはねる理由」(公式サイト)
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