6月17日から移動支援の実証実験 地域説明会始まる

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙暮らし オン 2019年5月15日

和室でも、いすなら楽に座れる。参加者から好評だった。(南部地区会館)

 公共交通の空白・不便地域となっている西東京市の南部地区で、タクシーを活用した移動支援の実証実験が6月17日からスタートする。期間中は農産物と鮮魚の移動販売も同時に実施する。これらの概要を対象地域住民に説明する会合が5月14日から始まった。

 最初の説明会は14日、南町2丁目の南部地区会館で開かれた。
 都市計画課の説明によると、実証実験の期間は6月17日から9月28日までの3ヵ月余り。対象になるのはおおむね、向台町1丁目、南町2丁目、柳沢2~5丁目の住民。65歳以上、妊娠中、世帯に3歳未満の子どもがいる人が申請して利用者カードを取得すればタクシーに乗れる。

 

都市計画課の資料(クリックで拡大)

 

 運行するのは(1)南町・向台町~田無駅北口(2)柳沢地域~田無駅北口(3)柳沢第3市民集会所~西武柳沢駅の3ルートを週2日。運行日は午前10時から正午、午後2時から4時まで1日2回計4時間。一度に最大4人が乗れる。時刻表はなく、駅と乗車場所の間をタクシーが行き来して利用者を乗せる。運賃は南町・向台町、柳沢地域の2ルートは大人1人300円。西武柳沢駅ルートは大人1人150円。介助者も乗れるが、運賃が必要。小学生以下の子どもは無料となる。

 農産物を移動販売するのは、南町第一児童遊園。南町・向台町ルートの乗車場所となる南町地区会館向かいにあり、ほぼ月2回、金曜日の午前9時から1時間を予定。地元の採れたて野菜が購入できる。鮮魚などを販売するのは、柳沢第3市民集会所そばのUR新柳沢団地管理サービス事務所付近。期間中は毎週火、金曜日の午前11時30分から1時間程度店を開く。

 

乗車場所となる南部地区会館

野菜などの移動販売は南部地区会館の向かいで実施(南部第一児童遊園)

 

 この日、説明会に集まったのは9人。それぞれの事情を抱えて、意見や要望は切実だった。自転車で田無駅前まで買い物に出掛けて事故に遭い、大けがを負ったと言う女性は「とてもありがたいけれども、この時間帯は買い物向け。病院に通うには利用出来ない。もっと早い時間帯にしてほしい」と声を上げた。夫の介護で病院に行くという女性も「病院へのルートがない」と指摘。「(コミュニティーバスの)はなバスが150円なのに、こちらはどうして300円になったのか。夫婦で往復1200円は高い」などと訴えた。

 都市計画課の長塚繁幸課長ら市側は「今回はあくまで実証実験です。みなさんにまず利用していただいて、ルートや時間、運賃なども含めてご意見、ご感想をいただきたい。それらを参考にして、どのようなやり方がいいのかあらためて検討したい」とその都度、丁寧に説明を繰り返した。

 説明会が終わりに差し掛かるころ、近くに住む80代の男性が挙手。「地域の人たちと市が長い間話し合って実証実験をやることになったんでしょう。私はできるだけ参加して、気づいたことを申し上げようと思います」と発言した上で「ただ、一つだけお願いがある。いい運転手さんを選んでくださいね。乗って気分が悪くなるような運転手さんを避けるように、タクシー会社の人に言ってください」。もっともな願いに笑いが広がり、会場がしばし和んだ。

 地域説明会はこの日を皮切りに、15日午前10時から柳沢第三市民集会所、17日午後2時から再び南町地区会館、18日午後2時から柳沢中学校体育館で予定されている。

 南部地区の住民からは長らく、コミュニティーバス「はなバス」運行の要望が出ていた。特に高齢世帯などから買い物が不自由など日常生活の不便と困難を訴える声があった。しかし道路幅が狭く、運行は難しい。このため市は2017年夏の住民アンケート調査や翌18年2月の住民説明会を経て、同年4月から住民らを中心とした「移動支援のあり方を考える勉強会」を立ち上げ、会を重ねて具体策を検討し、実証実験に踏み切ることにした。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・移動支援の実証実験(西東京市Web
・地域説明会の開催(西東京市Web
・移動支援のあり方を考える勉強会(西東京市Web

 

(Visited 917 times, 1 visits today)

6月17日から移動支援の実証実験 地域説明会始まる」への1件のフィードバック

  1. 1

    たいへん良い施策だと思いますが、使い易さを第一とすべきでしょう。
    使う人の立場にたったやり方をして欲しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA