公立昭和病院が「発熱診療エリア」設営 来院する発熱患者増加に備え

投稿者: カテゴリー: 新型コロナウイルス健康・福祉 オン 2020年4月15日

公立昭和病院のロータリーに発熱診療エリア設営された

 公立昭和病院(小平市、上西紀夫院長)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って発熱患者が増加した場合に備え、感染の有無を専門的に判断する「発熱診療エリア」を病院敷地内のロータリーに設営し、4月15日午後から診療手順を確認するための試行を開始した。正式に始める時期や診療態勢などは未定。

 新型コロナウイルスの感染者が病院に直接訪れると、院内感染が広がって医療崩壊を招きかねない。各地の病院や医院では、感染者と非感染者、重症患者と軽症患者を振り分けるため、病院の敷地内に仮設テントなどを設けて「発熱外来」を導入する動きが相次いでいる。杉並区は区内4カ所の基幹病院に「発熱外来センター」を設置。大阪府も診察と検体採取専門の発熱外来の導入を検討している。

 昭和病院ではこれまで①37.5℃以上の発熱が4日間続く②味覚・嗅覚などの異常がある③咳が出る、倦怠感が激しい―など新型コロナウイルス感染症の疑いのある場合は、かかりつけの医師に相談・受診し、かかりつけ医がいない場合は保健所に電話相談のうえ指定された「帰国者・接触者外来」で受診するよう告知してきた。さらに4月8日には安定的な医療体制を維持するため、紹介状を持っていない受診希望者の診療を当面、原則的に断ると発表した。

 

診療手順などを確認する医師や看護師たち

 

 しかし直接来院する人は後を絶たず、今後予想される発熱患者の増加に備えて、通常の診療と分ける発熱診療エリアの準備に着手。4月13日から実際の診療態勢や手順などを確認するために、病院正面玄関前のロータリーにテント4張を設営した。正式開設後は休診日を除いて病院勤務の医師、看護師らが医療用の防護服やマスクを着用のうえ交代で診療することになる。

 同病院では4月11日、手術室に勤務する看護師が新型コロナウイルスに感染したことが判明したが、濃厚接触者8人を含め関係する職員にPCR検査を実施したところ、全員陰性だった。

 

発熱診療エリアを設営した公立昭和病院

 

 昭和病院は1928年に伝染病院設置を目的として関係町村により設立され、現在は北多摩地域の7市(小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、清瀬市、東大和市、西東京市)による「昭和病院企業団」が運営する総合病院。診療科目は内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科など全31科あり、病床数は485床(一般479床、感染症6床)。地域医療支援病院の承認、感染症指定医療機関、救命救急センター、災害拠点病院などの指定を受けている。
(片岡義博)(写真は筆者撮影)

 

【関連情報】
・発熱診療エリアの設置について(公立昭和病院

 

【筆者略歴】
 片岡義博(かたおか・よしひろ)
 1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。著書に『文章のそうじ術』(言視舎)など。小平市在住。

 

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公立昭和病院が「発熱診療エリア」設営 来院する発熱患者増加に備え」への2件のフィードバック

  1. 原田 靖彦
    1

    片岡さん

    仕事仲間のグループLINEに転載させていただきました。
    事後報告で申し訳ありません。

    • 2

      ご連絡、ありがとうございました。引用元(ひばりタイムス)を明記の上、転載は自由です。今後ともよろしくお願いいたします。

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