西原町のクスノキ移植作業始まる 西東京3・4・9号保谷東村山線の工事で
西東京市西原4丁目の西原自然公園通り脇にあるクスノキの移植作業が6月29日午前から始まった。このクスノキは「西東京市の木50選」に選ばれた大木。都市計画道路「西東京3・4・9号保谷東村山線」の道路予定区間内にあるため、約80メートル離れた西原第一児童遊園内に植え替えられる。東京都北多摩南部建設事務所は「7月中旬までには作業を終えたい」と話している。(写真は、枝葉を切り落としたクスノキ。西原町4丁目、6月29日午後4時50分)
この日の作業は午前9時過ぎから始まった。高さ15メートルほどのクスノキに作業員が上り、太い枝を切るとすぐにクレーン車で吊り上げ、集積場所に下ろす。待ち構えた別の作業員らが枝を払い、短く切ったりトラックに積み込んだりした。
午後4時半ごろ再度現地に行くと、枝葉を伸ばしていたクスノキの大木は、太い幹にわずかな葉を残すだけ。こざっぱりした姿に様変わりしていた。
道路の建設工事を担当している飯和建設(昭島市緑町)工事部課長の古川浩三さんは「枝の切り落としなどの剪定が終わったら、あとは幹巻き、根切り、根鉢などの作業に進みます」と言う。
先週末、根の近くを水道管が通っていることが分かった。都北多摩南部建設事務所は水道局と協議し、「あと1~2週間、7月中旬までには移植したい」(工事第一課)と話している。
西原町4丁目から同3丁目まで約310メートルの区間は、このクスノキの移植を手始めに来年2月までの予定で、街路築造、共同電線溝設工事に取り掛かる。
このクスノキは幹周りが約2メートルあり、2011年度に「西東京市の木50選」に選ばれた。「道路予定地にある木だが、ぜひ残したい」との地元関係者の要望もあって移設することになった。歩道を挟んで西東京市消防団第5分団の詰め所があり、文華女子高、西原自然公園なども近い。
西東京3・4・9号保谷東村山線は、西東京市中町から東京大学生命科学農学機構(旧東大農場)を横切り、東久留米市境の西原町に至る延長約3.4キロ。幅員16メートルの道路を新設し、車道(2車線)、歩道と自転車走行空間を整備し、電線類の地中化や街路樹の植栽を計画している。
(北嶋孝)
【関連情報】
・西東京市の木50選(西東京市Web)