映像投影で夜の校舎が別世界に 明保中学校で手作りのプロジェクションマッピング
学校の校舎が色とりどりの光に染まり、色鮮やかな映像のなかで人影が踊る-。西東京市立明保中学校(宮本尚登校長)の校舎が12月10日の夜、教員手作りのプロジェクションマッピングで別世界に変わった。リズミカルな音楽が流れ、映像が切り替わるたびに、見守る生徒や保護者らから歓声が上がっていた。(写真は、校舎に浮かぶ色とりどりの映像)
プロジェクションマッピングは、実物のビルや家屋などの立体物にプロジェクターでCG映像を投影する技術。昨年秋、コロナ感染のなかで、生徒たちを励まし喜んでもらおうと、先生たちの間からこのアイデアが生まれた。しかし感染が拡大し、緊急事態宣言が続いてひとまず休止。その後アイデアを練り直し、映像に詳しいチームが中心になって、校内の機材を活用する手作りの企画が進んできた。
午後5時30分過ぎから投影が始まった。赤、青、黄…。校舎の壁や窓がカラフルに染まる。光の矢が降り注ぐ。映像が炸裂し、白い人影が凹凸の画面を優美に踊る。クリスマスツリーが現れ、サンタクロースが横切る。後半はオリンピック・パラリンピックのイメージが浮かび、やがて映像が目まぐるしく変化した後、「今、この瞬間くらいは気を楽に」「何か創り出そうぜ」など、先生たちのメッセージも挟み込んで、約15分の映像の洪水に幕が下りた。
密を避けるためこの日は3年生と保護者の希望者が参加。生徒らは午後5時から隣接する文理台公園に集まり、校庭から打ち上げた花火を見学。校内に移動したときは、近所の住民や子どもらも併せて100人を超えていたろうか。「どれぐらい来るか分からない」と事前に話していたプロジェクトチームの1人、大久保成展先生(技術科)は、投影終了後に機器を片付けながら「思った以上に多くの方々に見ていただけたのでホッとしています」と話していた。1~2年生らは12月13日に投影鑑賞が予定されている。
このイベントは、学校の特別企画「外に行かない遠足」の 第1弾。第2弾は12月17日、VR(バーチャルリアリティー)サービスによって、バンジージャンプが出来たり、絵画作品の中に入り込めたりする体験授業を実施する。
明保中の宮本校長は「コロナ禍で、感染対策を講じることは当然です。一方で、コロナ禍であっても、工夫すれば、出来ることは、たくさんあるはずです。本校で行う『外に行かない遠足』企画は、そんな思いからスタートしました。コロナ禍であっても、生徒の笑顔があふれる学校を目指します」と話している。
(北嶋孝)
【関連情報】
・プロジェクションマッピングについて(2021.11.24)(明保中学校)
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