小平市中央公民館

小平市中央公民館の建て替え設計に隈研吾氏 市民との「対話型設計」目指す

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙文化 オン 2022年1月15日

 小平市は1月13日、本庁舎周辺に建つ中央公民館、健康福祉事務センター、福祉会館の老朽化に伴う建て替えの設計に、プロポーザル審査の結果、隈研吾建築都市設計事務所が決定したと発表した。新国立競技場や角川武蔵野ミュージアム、高輪ゲートウエイ駅など数々の斬新なデザインを手掛けてきた建築家の隈氏は、市民や職員との対話によって設計を進める「対話型設計」を目指している。(写真は、小平市中央公民館)

 

 プロポーザル審査は、複数の事業者に企画を提案してもらい、最も優れた提案を行った事業者を選定する。今回の業務委託には9事業者から提案があり、隈氏の設計事務所が土地利用・建築・施工計画やコンセプト、機能などの面で合計点が最も高かった。隈氏は土地の風土や文化に溶け込んだ「自然との共生」を掲げ、木材などの自然素材を活かした「和」のデザインで知られる。 

 同設計事務所が提出した「技術提案書」によると、計画案を基に市民や利用団体、職員との対話によって要望を汲み取り反映させる対話型の設計手法を取る。施設の使い方、あり方について市民のニーズを引き出すワークショップを開催し、利用者視点を重視した設計を目指すという。

 行政機能が点在している対象エリアを3つのサイトに分ける。「シビック・サイト」では健康福祉事務機能を集約させる。「パーク・サイト」は健康福祉事務センター跡地を新設建物と本庁舎、中央図書館をつなぐ結節点と位置づけ、カフェやマルシェを併設できる「賑わい広場」として整備する。「カルチャー・サイト」では中央公民館跡地に共同駐車場を縮小・移設し、事業用借地としての価値を高めるととともに中央図書館との一体化を図る。新設建物の低層部は多摩産木材による板張りと、木漏れ日が差す屋根の組み合わせによる「屋敷森ファサード」で景観との調和を図る。

 新設する複合施設は5階建て。1階はロビー、ギャラリー、カフェ、市民会議室、市民ホール。2階に行政事務機能を集約し、3〜5階に集会フロア、イベントフロア、生涯学習フロアと市民が利用する機能を集約する。

 放送・通信機器の設置など災害復旧拠点として整備し、密を回避する感染症対策も図る。2025年3月ごろに実施設計完成、26年度以降の建て替え完成を目指す。整備費用は48億円。今年2月下旬に説明会を開く。

 公共施設マネジメント課は「技術提案書は公募型プロポーザル方式での選考のため提出されたもので、提案書の内容がそのまま設計案になるわけではない。今後、市民の皆さんにも興味を持っていただき、多様なご意見を寄せていただきたい」と話している。
(片岡義博)

 

【関連情報】
・中央公民館、健康福祉事務センター及び福祉会館の更新等に関する基本設計及び実施設計等業務委託に係るプロポーザル審査結果(小平市

 

片岡義博
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