「対話による美術鑑賞」で心開放、頭すっきり

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙文化・スポーツ オン 2016年4月4日
スクリーンに投影された作品

スクリーンに投影された作品(写真は筆者提供)

 対話をしながら美術作品の見方や観察力を深める「対話による美術鑑賞」という、新しい取り組みが学校や美術館の美術鑑賞授業で実施されている。西東京市では、2014年度から市内の小学校で取り組まれており、3月28日(月)には、誰でも参加できる体験会が、西東京市保谷保健福祉総合センターで開かれた。いったいどんな取り組みなのだろうか。記者も体験してみた。

 美術鑑賞といえば、作品の解説や歴史、作家の逸話などの知識を学ぶ、といったイメージをもつが、「対話による美術鑑賞」は、作品の知識を学ぶのではなく、作品そのものをよく見て、よく考えて言葉にする。アートエデュケーターが、鑑賞者からさまざまな意見を引き出しながら作品の見方を深める、鑑賞の手法だ。図画工作の鑑賞力だけでなく、観察力や思考力、コミュニケーション力も身につけられるという。1980年代にニューヨーク近代美術館が開発した手法を西東京市では取り入れている。

 体験会は午後6時30分頃から始まった。会場に集まった約20人の市民らが、プロジェクターでスクリーンに投影された作品を囲むように座った。じっくり画像を見ながら意見交換が行われ、講師が質問しながら進行した。

 

作品に見入る参加者たち

作品に見入る参加者たち(写真は筆者提供)

 

 講師は、西東京市の対話による美術鑑賞を企画運営している、認定NPO法人「芸術資源開発機構」(ARDAアルダ)代表理事の三ツ木紀英さん。

 「作品の中で何が起きているか」「何を感じるか」と、三ツ木さんが問いかけると、鑑賞者は言葉を探しながら答えた。「将来に対する不安を抱えた人たちが、海に浮かぶゴムボート乗って長旅をしている」「島から離れ新天地を見つめている人がいる」など、さまざまな感想や意見が上がった。「なぜそう思うか」「どの部分でそう感じたか」と三ツ木さんはさらに意見を引き出し、1枚の絵に30分近くかけ鑑賞を深めた。

 体験会終了後、参加者からは、「みんなの話を聞くうちに集中して絵を見ることができて面白かった」「戦前、上から与えられる教育を受けてきたので、各自が持つ力を引き出す効果的な指導方法に驚いた。半世紀後に生まれていれば、全然違う教育を受けられたのだなあ、と思った」などとの感想が聞かれた。

 正解はなく自由に直観で意見を述べられる。心が開放され頭もすっきり。おまけに持病の肩こりもとれた。記者にとっては健康面にもよい体験だった。

 この取り組みは、2012年3月に策定された「文化芸術振興計画」を推進するもので、西東京市では昨年度、市内公立小学校14校で実施しており、今年度は残り4校も加え全18校で行う予定。対象は小学校4年生、年1回2時間程度、教育委員会と連携して市民ボランティア「アートみーる」が授業を行っている。
(柿本珠枝)

 

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体験会のチラシ

【関連リンク】
・3月28日に西東京市で「対話による美術鑑賞」体験会します!(西東京市facebook
・対話で美術鑑賞「アーツ×ダイアローグ」(ARDA
・西東京市 ARDAとの協働について(ARDA

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

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