子宮頸がんワクチンの再勧奨始まる 西東京市が中1、高1女子らに「お知らせ」送付

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙健康・福祉 オン 2022年6月12日

 国、自治体による子宮頸がんワクチン接種を勧める呼び掛けが再開され、西東京市内の中学1年、高校1年相当の女子約1600人に4月中旬、接種のお知らせが送られた。呼び掛けを中止していた間に対象年齢だった市内の約7700人にも5月半ば、公費負担(無料)で接種できると通知した。池澤隆史市長が6月7日と8日、西東京市議会で藤田美智子氏(公明)と中川清志氏(自民)の一般質問に答えた。

 

池澤隆史市長

子宮頸がんワクチン接種について答える池澤隆史市長

 

 厚生労働省によると、毎年約1万1000人の女性が子宮頸がんになり、約2900人が死亡するという。9年前の2013年4月、予防接種法に基づいてワクチンの定期接種が始まった。しかしワクチンとの「因果関係が否定できない身体の痛み」などを訴える報告が相次ぎ、厚生労働省は同年6月、「積極的な勧奨」を控えた。しかし昨年(2021年)11月の専門家会合が「積極的勧奨の再開を妨げる要素はない」などと報告したことから、厚労省は「接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた」などとして、今年4月からのワクチン接種再勧奨に転じた。

 市健康福祉部によると、今回は中1と高1相当が呼び掛けの対象。接種は来年、再来年の3年計画で進め、医療機関に過度な負担がかからないようにする。積極的な勧奨を控えていた期間に接種した人の自己負担分を返す方向で検討し、接種記録の確認やかかった費用の確認方法などの課題を整理して、今年度中に制度構築を図るという。

 厚生労働省によると、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、性交渉を経験した女性の50%以上が生涯で一度は感染する。HPVワクチンは、子宮頸がんを起こしやすいタイプのHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐ、としている。

 

子宮頸がんワクチンパンフ

厚生労働省発行の子宮頸がんワクチンパンフレット(左が詳細版、右が概要版)

 

 厚労省のwebサイトは、ワクチン接種で起きる副反応(副作用)について「多くは、発熱したり、注射した部分が腫れるといった、比較的軽く、短期間で治る」症状としながらも、「ごくまれに、重いアレルギーなど、重症の副反応が起きることがあります」とも述べている。2013年ごろにワクチン接種したら、全身の痛みや知覚障害などの副作用で健康被害を受けたとして、各地で裁判も続いている。

 同省は主な副反応として「発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神など」を挙げ、接種後に体調の変化や気になる症状が現れたら「まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください」としている。市のHPには、ワクチン接種の「協力医療機関」リストを掲載して、接種を行った医師やかかりつけ医師への相談を呼び掛けている。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・子宮頸がん予防ワクチン(個別)(西東京市Web
・HPVワクチンについて(第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料1 2021(令和3)年11月12日)(厚生労働省 PDF:1.54MB
・「ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の今後の対応について)」(2021年11月26日、健康局長通知)[厚生労働省、PDF形式:165KB
・ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省
・ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~(厚生労働省
・「子宮頸がん予防ワクチン」被害の真の救済を求めて(HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団
・全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会(HP

 

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