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院内のアートギャラリーで絵画展「日常の中にArtを」 杏林大医学部付属病院で11月30日まで

投稿者: カテゴリー: 文化 オン 2022年11月25日

 杏林大学医学部付属病院(三鷹市新川)の第2病棟1階、売店やコーヒーショップなどが並ぶ一角に、ギャラリーアートスペースがある。11月30日まで「日常の中にArtを~病院編~」と題した絵画展が開催中。患者だけでなく、来院する患者家族や病院関係者らにも開かれたスペースだ。(写真は、絵画展「日常の中にArtを」1)

 展示会には「様々な方がそれぞれの立場で往来する病院という場所に癒しや安らぎを」という趣旨に賛同した14名の作家の作品が飾られている。

 紹介パネルには今回の展示を企画したキュレーターの浪川恵美さんの言葉があった。「アートは心にビタミン剤を届ける役割を持つ」と確信し、「美術館などの特別な場所でなく人々が普通に暮らす場にアート作品が飾られることが大切」と思って活動してきたという。

 赤を基調とした明るい色の抽象画、ピンクや白の長方形が並ぶやわらかい印象の作品、青や白を使って風や雲が流れていくような爽やかな表現もあれば、具体的に動物と海の生き物が描かれた作品もある。

 

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絵画展「日常の中にArtを」2

 

 杏林大学医学部付属病院広報に問い合わせると、アートギャラリーは9年前から開設しているという。第2病棟1階には、介護用品や入院雑貨類が購入できるお店や理容・美容室だけでなく、普段手に取らない本に出会う図書室や気持ちを落ち着けたい時に瞑想できる空間もある。日本では数少ない例だろう。

 スウェーデンでは、公共建築の新設や改築時に全体予算の1%~2%をアートに充てることが法律で定められている。通称「1%ルール」と呼ばれるこの法律は「人は誰でも文化的に最低限保障された生活を送る権利がある」との考えに基づき、1937年に導入された。今から86年も前のことだ。病院敷地内の様々な場所で人々がアートに触れられる環境が整っている。

 病院内にアートギャラリー… 恵まれた環境だ。アートによって慰められ勇気づけられる人も多いことだろう。コロナ渦で入院患者との面会もままならい状況が続いている。外来棟、一般病棟だけでなく小児棟など日本中の病院内でこのような取り組みが増えていくことを願っている。

 

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絵画展「日常の中にArtを」3

 

 絵画展は11月2日(水)から30日(水)まで、午前8時30分から午後5時。日曜・祝日は休み。
(卯野右子)(写真は筆者撮影)

 

【関連リンク】
・ギャラリーで「日常の中にArtを」と題した絵画展を開催(杏林大学医学部付属病院

 

卯野右子
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院内のアートギャラリーで絵画展「日常の中にArtを」 杏林大医学部付属病院で11月30日まで」への2件のフィードバック

  1. 浪川 恵美
    1

    先日、杏林の担当者より連絡をいただきました。企画の趣旨を汲み取っての取材
    ありがとうございました。取り急ぎお礼申し上げます

    • 2

      浪川さま、コメントありがとうございます。このような取り組みを継続して行っていらっしゃることに感銘を受けました。また、コロナ渦でありながら、ギャラリースペースを公開してくれている病院にも感謝を伝えたいと思いました。

      みなさんの素晴らしい作品を言葉で表現する術を持ち合わせていないのが悔しいですが、映像アーカイブも作成されてますので、閉会後も多くの方に見ていただけると嬉しいですね。

      https://www.youtube.com/watch?v=E52XiZgMpJU

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