現在の課題追う特集記事 小平市立図書館で新聞元旦号展

投稿者: カテゴリー: 文化メディア・報道 オン 2023年1月8日

 全国各地の地方新聞の元旦紙面を手に取って読むことができる「第43回ふるさとの新聞元旦号展」が小平市中央図書館で開かれている。地方紙を通じて列島各地の今を知ることができる新年恒例の企画だ。2月2日まで4館の市立図書館を巡回する。

 

第43回ふるさとの新聞元旦号展

小平市中央図書館で地方紙の元旦紙面を読む来館者

 

 市立図書館が各地の新聞社に元旦号の寄贈を呼びかけ、今年は1月7日時点で34紙が集まった。期間中、新たに到着した元旦号は随時展示に加えていく。1月1日付けの地方各紙は特集記事や大型連載企画、著名人インタビューなど特別紙面を展開する。そのなかから私たちの社会が直面する現在の課題に向き合った3つの特集記事を紹介する。

 まず毎年、独自の元旦紙面を展開している「琉球新報」は1面で、防衛省のシンクタンク「防衛研究所」が2021年度に中国との戦闘を想定した研究で、中国からのミサイル攻撃を前提に残存兵力で中国側の行動を海上で阻止する戦略を提言していたことを報じた。「攻撃を受ける地域の一つとして南西諸島が想定される」という研究所員の見方を示したうえで、昨年12月に閣議決定された安全保障関連3文書を先取りしたもの、と位置づけている。

 

琉球新報

日本の安保政策を論じた琉球新報の2、3面

 

 これを受けた2、3面の見出しは「沖縄 有事の拠点化」「軍拡 県民しわ寄せ」。この10年間、政府が九州南端から台湾に至る南西地域の自衛隊配備を加速度的に強化してきた実態を図や表で示した。昨年、米中対立を背景に台湾情勢が緊迫化した。沖縄県民が「台湾有事」に危機感を募らせるとともに、高まる沖縄の基地負担に強い警戒感を示していることを伝えている。日本の安保政策の大きな転換となる安保関連3文書と沖縄の現在を正面から見据えた骨太の特集だ。

 京都新聞は、AI(人工知能)やVR(仮想現実)といった情報技術の進化によって変わる私たちの働き方や生活様式を伝える新連載「デジタルな私たち」をスタートさせた。第1回はバーチャルユーチューバー(Vチューバー)を取り上げている。VチューバーはCGやイラストのキャラクターに自分の動きを連動させながらテレビゲームの実況や音楽ライブを配信する。配信者は急増しており、ユーチューブの登録者数が140万人を超す売れっ子もいる。記事は特定のVチューバーに生身のアイドルにはない魅力を感じる24歳の女性を紹介している。

 さらにAIが作った人間そっくりの「デジタルヒューマン」をファッションモデルやCMキャラクターに起用する動きを伝える一方で、架空の画像や動画をねつ造する「ディープフェイク」にも警鐘を鳴らしている。昨年末の紅白歌合戦を思い出す。話題をさらったのは、史上初のアニメキャラの出場者「ウタ」(歌はAdo)だった。

 中日新聞は、公立小中学校の養護教諭について全国47都道府県と20政令市例都市の教育委員会に聞いたアンケート調査で、9割超が増員を必要としていることを明らかにした。不登校や虐待、発達障害など子どもが抱える問題の多様化に加え、新型コロナ対応で業務が増えていることが背景にある、としている。

 これを受けて社会面では新連載「ロストチャイルド」が始まった。記事は登校しても保健室で大半の時間を過ごす子どもたちの姿を追っている。その多くは「教室に行けない理由はわからない」と話す。 第1部は小中学校の保健室や養護教諭の姿を通して子どもたちが抱える息苦しさを考えていくという。「デジタルな私たち」とともに力作を期待させる連載企画だ。

 

元旦新聞展

展示コーナーには地方出版社が発行する書籍も展示、貸し出している

 

 元旦号は中央図書館(1月7〜12日)で展示後、上宿図書館(14〜18日)、大沼図書館(21〜26日)、小川西町図書館(28日〜2月2日)を回る。
(片岡義博)

 

【参考情報】
・第43回ふるさとの新聞元旦号展の開催について(小平市立図書館

 

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