子供の居場所を考える映画の上映会 7月1日、東村山市で

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育 オン 2023年6月15日

 子供たちが安心して過ごせる居場所をどう作るか―を考えるうえで参考になるドキュメンタリー映画「さとにきたらええやん」の上映会が7月1日、東村山市市民ステーションサンパルネ2階のコンベンションホールで開かれる。

 上映会は、地域のさまざまな福祉の問題を可視化し、地域全体で解決しようと活動している市民グループ「social work station つむぎ」(外山愛代表)が主催する。

 

 大阪「こどもの里」の日常

映画チラシ表

映画チラシ(クリックで拡大)

 映画(重江良樹監督、100分)は、日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区釜ヶ崎(あいりん地区)にある「こどもの里」が舞台だ。2016年4月の公開以来、子供の健やかな成長を願う市民グループなどによって今も全国各地で自主上映会が続けられている。

 「こどもの里」は1977年から40年以上続いている施設で、利用者の間では“さと”の愛称で呼ばれている。「認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)こどもの里」が2015年から運営している。釜ヶ崎の子どもたちに健全で自由な遊び場(居場所)を提供しようという運動から始まった。徹底した子供中心の運営が特徴で知られている。子供のしたいことは子供の自主性に任せ、スタッフはサポートに徹している。

 国籍や家庭の事情、障害のあるなしなどに関係なく、子供なら原則、0歳から18歳まで誰でもいつでも無料で利用できる。子供にとって「こどもの里」は安全・安心で自由に遊び、休み、学べる場だけでなく、悩みや苦しみ、不満などを聴いてもらえる場だ。緊急に一時宿泊できるシェルターであり、一時的に預かってもらえる里親でもある。子供は「こどもの里」で過ごすことを通して、お互いに支え合い助け合うことの大切さを自然に身に着けていく。

 季節や夏休み・冬休みなど学校の休業日数によって変動はあるが、「こどもの里」を利用する子供は、平日が平均30人から40人、土日祝日は40人から50人という(「こどもの里」スタッフ)。

 

 親子で上映会へ、感想タイムも

映画チラシ裏

映画チラシ(クリックで拡大)

 映画の上映は3回あり、どの回も子連れで見られる。1回目と2回目終了後に映画について語り合う感想タイムもある(30分、参加自由)。

 上映会場とは別に、子供が退屈しないようにプレイルームや駄菓子が買えるコーナーも用意する。東村山市と近郊の子ども食堂や居場所がわかる情報コーナーも設置する。

 「つむぎ」が上映会に取り組んだのは、「こどもの里」の活動は釜ヶ崎に限らず全国どこでも必要とされているのではないか、という問題意識からだ。代表の外山さん(40)は大学を卒業後、精神保健福祉士の資格を取得し、都内の精神科病院に勤めるソーシャルワーカーで3人の子供の母親でもある。ソーシャルワーカーとして、借金返済、子育て、住まいや仕事、家庭内暴力、虐待、依存症、引きこもり、自傷行為などさまざまな生活上の問題の相談に応じる中で気がついたことがある。子供をめぐる問題は社会問題なのに、自分の自己責任や個人の努力で解決しようとする相談者があまりにも多いことだった。

 これは、問題を抱えている人たちが孤立しているケースが多いこと、生活保護など行政に支援を求める場合、当事者が申請しないと支援を受けられないという制度上の問題などが背景にあるからだ。

 外山さんは「映画を見た人たちが地域の子どもたちの置かれた問題状況に目を向け、ともに考え解決に向けて一歩踏み出すきっかけになる上映会にしたい。ぜひ親子で上映会に足を運んでほしい」と呼びかける。上映会後は、東村山市で子供の問題について座談会や勉強会などを開くことも考えている。
(鈴木信幸)

 

【上映会の詳細】
 上映開始時間は、1回目10時、2回目15時、3回目19時
 料金:1000円(当日会場での現金払い)、無料チケットあり(18歳以下、介護者など)
 定員:各回とも100人
 上映会の案内とチケット申し込みは>>こちら
 問い合わせ:「social work station つむぎ」メール: tamakotsumugi@gmail.com
 ☎080-3575-3351(外山)

【関連情報】
・映画「さとにきたらええやん」(公式サイト
・social work station つむぎ(HP
・認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)こどもの里(HP

 

鈴木信幸
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