やさしい心遣いがあるまちに 認知症サポーター養成講座
厚生労働省によると、85歳以上の4人に1人が認知症と言われている。誰にでも起こりうる認知症。西東京市では認知症患者や介護する家族を地域で見守ろうと「認知症サポーター養成講座」を定期的に開いている。記者も身近な体験に悩んでいる。接し方や心がまえなど学べればと思い、[2015年]12月5日㈯に開催された講座を受講してきた。
認知症サポーター養成講座は厚生労働省が、介護疲れによる家族共倒れなどを防ぎ安心して暮らせるまちを作ろうと2005年に開始。西東京市では2006年から始めた。
5日午後2時、会場の柳沢公民館視聴覚室には中高年層の地域住民など24人が集まった。
まずは講師の同市新町地域包括支援センターの井出知子さんが、全国標準テキスト「認知症を学び、地域で支えよう」に沿って講義をした。認知症とは何か、症状、行動と心理状況、診断・治療、患者と接するときの心がまえ、対応、認知症サポーターのできること、などについて説明があった。
例えば、記憶障害など認知症状が出ても、治る病気や一時的な症状の場合もあるので、早期受診が重要。能力の低下を自覚し自信喪失になった人には、さりげなく手助けをして成功体験に結び付ける支援が大切。また、「私は忘れていない!」と反発するのは、認知症患者の隠された悲しみの表現であることを知ってほしい。さらに認知症介護をする家族の心理は、「とまどい・否定・混乱・怒り・拒絶」を経て、介護者の気持ちに余裕ができると「割り切り」、「受容(受け入れる)」へと変化するそうだ。それには周囲の理解や支援などが助けになるという。
講義の合間には、支援の具体的な方法として、認知症の人に対して「間違った対応」、「望ましい対応」などを再現したDVD上映があった。
最後に認知症の家族が食後に「ごはんまだ?」と催促するという設定で、介護者が対応するロールプレイングも実施。2人1組で認知症の家族役と介護者役に分かれて「食べたばかりでしょ」、「先におにぎりでも食べてもらおうかな」などと、異なる対応を演じ参加者全員で望ましい対処法を学んだ。
参加した男性は「自分も年齢が高くなったので、元気なうちに地域の人たちの役にたちたいと思って参加した。私ができる支援は何か考えたい」と話していた。
講師の井出さんは「認知症は特別なものじゃない。みなさんが認知症を知ることで、ご本人や家族の方たちが必要以上に苦しまなくてすむ。周りの人のやさしい心遣いがあるまち、それは誰もが住みやすいまちなのだと思う」とほほ笑んだ。
記者もまさに今、とまどいと混乱のステップを踏んでいるところで、本当に辛いのは認知症を患う本人であることを改めて知った。
西東京市によると、昨年末で1万511人が認知症サポーター養成講座を受講し登録している。「明日は我が身」。当事者意識をもつ多くの人が受講しているようだ。認知症サポーター養成講座は、市だけでなく高齢者支援に関するさまざまな団体も行っている。現在は市内の小学生や田無警察署の署員などに向けた講座も開かれている。
(柿本珠枝)
【関連情報】
・認知症サポーター養成講座 年間予定(西東京市Web)
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