「市歌」に弦楽四重奏版 西東京市が楽譜公開

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2016年1月30日
西東京市歌の弦楽四重奏版楽譜

西東京市歌の弦楽四重奏版楽譜

 西東京市は1月28日、市歌「大好きです、西東京」の弦楽四重奏版楽譜を同市Webサイトに掲載した。オリジナル曲のほか、これまで公開してきた二部合唱、三部合唱、混合四部合唱の楽譜に新たなバージョンが加わった。西東京市歌は、オリジナル曲とともに音頭風、マーチ風に編曲した音源も公開している。これほど種類の多い楽譜や音源を公開している自治体は珍しい。

 一般公開されたのは、弦楽四重奏の総譜と各楽器のパート譜。東京ニューシティ管弦楽団が寄贈した。切っ掛けは昨年8月31日に西東京市議会で開かれた議場コンサートだった。

 この日は東京ニューシティ管弦楽団の女性奏者4人が登場。モーツァルトやハイドン、チャイコフスキー、ドボルザークなどの弦楽四重奏曲を演奏した。その後、会場の拍手を受けて演奏したアンコール曲が、西東京市の市歌「大好きです、西東京」だった。そのとき奏者の一人が「弦楽四重奏用に編曲したので、楽譜は市にプレゼントします」と議場の市民らに約束した。

弦楽四重奏の議場コンサート(西東京市議会提供)

弦楽四重奏の議場コンサート(西東京市議会事務局提供)

 

 その後楽譜は印刷されて楽団側から寄贈された。楽団事務局は「これまで私たちの楽団は西東京市議会で何度か演奏しました。市歌の弦楽四重奏はあまり機会がないので、西東京市内のアマチュア演奏団体のみなんさんにどんどん演奏してもらいたい、自由に使っていただきたいと思っています」と話していた。

 この市歌は、西東京市誕生3周年を迎えた2004年、新たな時代にふさわしい市のイメージを作ろうと歌詞を公募し、「シクラメンのかほり」などのヒット曲で知られる小椋佳さんが補作詞・作曲した。当時から、音頭版とマーチ版の編曲を備える、全国の自治体としては極めて異例なケースとして知られていた。

 担当する企画政策課の小関俊典課長は「登退庁の時間に庁内放送でこの曲を流しているので、職員にはお馴染みだと思います。この機会に多くの市民に市歌に親しんでいただきたい」と話している。

 弦楽四重奏版も加わった市歌のラインナップがほかに例があるかどうか、全国市長会に問い合わせた。同会社会文教部の職員は「残念ながら、市歌のデータは把握していません。でも個人的にはそれほど種類が多いのは聞いたことがありません」。東京都市長会事務局も「市歌に関する情報は集めていませんが、西東京市歌がそれほど種類が多いとは初耳です」と驚いていた。

 「全国都道府県の歌・市の歌」を出版している東京堂出版の担当編集者によると、各自治体の歌を集めた類書がなく、「都道府県歌・市歌の実態を調査したのはこの本が初めてではないか」という。47都道府県のほか、全国の788市と東京23区にアンケートを実施した。西東京市から回答がなく本書に収録されなかったが、418自治体の回答を基に制作した。「本書には、歌詞と楽譜、歌にまつわるエピソードなど特記事項を収録しています。編曲や公開楽譜の種類などは調べていないので、市歌のバージョン数などははっきりしない」と話している。

 同書の特記事項を読むと、市歌は主に小中学校の入学式卒業式や成人式、文化祭などで歌われている。健康体操や盆踊りなど自治体のイベントで流す自治体も多い。国分寺市の項では、市歌のほか国分寺音頭、同小唄も載っていた。

 住民が歌える自治体歌として知られているのは、長野県の「信濃の国」。同書には「県民ならば誰でも即座に歌える」と書かれている。同書には不掲載だが、森林太郎(森鷗外)の作詞で知られる横浜市歌は、小中学校で歌って覚えたと語る人が少なくない。

 弦楽四重奏版の楽譜公開を機に、市歌「大好きです、西東京」に親しんでみてはいかがだろうか。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・市歌「大好きです、西東京」弦楽四重奏の楽譜公開(西東京市Web
・市のシンボル 市歌(西東京市Web、音源と楽譜がダウンロードできる)
・横浜市歌について(横浜市生涯学習ページ「はまなび」
・県歌「信濃の国」(長野県Webサイト

 

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