おのおの方、準備は万全かな 外見リスクマネジメントセミナー開かれる
外見リスクマネジメント夏期集中体験講座が東京・銀座で開かれている。7月から8月までの1ヵ月に計5回。8月9日に開かれた第4回のテーマは「公式・謝罪時の服装マナー&姿勢・歩き方・お辞儀」だった。ベーシック&シンプルを基本に、好ましい印象を与える身体の動かし方、シルエットの作り方など、目から鱗のノウハウが盛りだくさんだった。
まずは、姿勢や歩き方から。講師の鷹松香奈子さんは、海外のファッションショーでモデルを務めたこともあるウォーキング・インストラクター。「聞いただけでは覚えられません。身体を動かしてみましょう」。
講座はすぐに歩き方と姿勢の講習へ。「会見場に入った瞬間の印象が大事。猫背で下を向いていたら、自信のない印象を与え、話をきちんと聞いてもらえません」。歩くときは顔を上げ、あごを引き、背筋を伸ばす。イスに座るのも同じ。背もたれに寄りかかるのは「だらしない」姿勢に見えるという。
「軸足の膝を曲げずに、グンと前に踏み出し、踵から足裏をローリングするように歩きます。身体の重心を意識しましょう」。参加者が何度か繰り返すと、あら不思議。凛としたシルエットが生まれてくる。
服装の指導は、スタイリストの高野いせこさん。芸能人や政治家、銀行、自動車メーカー役員らの服装アドバイザーを務める指折りの専門家だ。
「男性はブリティッシュトラッドが基本です。アルマーニは止めましょう。ジゴロ風のイメージがありますから」。おしゃれ自慢の男性たちにキツい一言だ。さらに追い打ち。「ワイシャツは白。ボタンダウンは公式の場では控えましょう。ネクタイもストライプ系は慎重に」。服装はジャストサイズ。「自分の体型を直視してシルエットを大事にしましょう」「ファッションはトータルバランスが大事です」と説く。ドキッとした人がいたら、このセミナーに駆け込んだ方がいい。
女性にも直言する-。柄物は止め、インナーもシンプルに。アクセサリーも抑えて。「公式の場の服装、化粧、アクセサリーは、引き算で考えましょう」。
一部上場の精密機械メーカーの工場長が多摩地区から参加していた。「私たちはメーカーなので、万一の場合を考えて参加しました。セミナーは具体的で、指摘がいちいちもっとも。ためになります」と語っていた。
晴れ舞台だったり謝罪の記者会見だったり。カメラに囲まれるときは、その先の視聴者を意識せざるを得ない。主催した日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事の石川慶子さんは「その場にふさわしいイメージ、自分が望むイメージを意識することが大切」と話していた。
「見た目が9割」と第一印象の優位が指摘される昨今。「外見」をおろそかにすると、誤解を招くだけでなく、非難が集中し致命傷にならないとも限らない。西東京市のエグゼクティブを自認する方々の備えは万全だろうか。オープンセミナー「著名人の謝罪から学ぶクライシスコミュニケーション」は8月26日に銀座で開かれる。関心のある方は、日本リスクマネジャー&コンサルタント協会(電話03-6892-4106)へ。
(北嶋孝)
【関連リンク】
・著名人の謝罪から学ぶクライシスコミュニケーション(日本リスクマネジャー&コンサルタント協会)