西東京市の一般会計当初予算案は762億7100万円、過去最大規模を連続更新 「健康・元気作り、子育て・教育環境の充実」などに重点
西東京市は[2015年]2月23日(月)、一般会計の総額が762億7100万円となる過去最大規模の2015年度当初予算案を発表した。本年度より64億6600万円多く、9.3%増。2年連続の最大規模更新となった。国民健康保険や介護保険などの特別会計を合わせた総額は約1211億5992万円。本年度比8.1%増となり、3年連続で最大規模を更新した。
力を入れる施策は、健康・元気作り、子育て・教育環境の充実、地域振興・まちづくりなど。特に健康・元気作りでは、予防介護に力を入れ、あらたに「生活支援コーディネーター」(仮称)を配置。小学校で「がん教育」を進めるほか、在宅療養者への訪問歯科検診を始める。
子育て・教育環境の充実では、昨年中学生が家庭内の虐待で自殺した事件を受けて防止マニュアル作りに取り組むほか、スクールカウンセラーを市独自で巡回配置。ひばり中学校の建て替え用地の買収や公園計画などに約43億円を計上して教育環境の整備を図る。
地域振興で注目されるのは、初の国史跡指定となる下野谷遺跡の保存と活用。用地取得などに約11億5000万円を充て、南関東で傑出した規模と内容を持つ縄文遺跡を内外に広める方針。また西東京商工会が主体となって総額6億円の商品券を販売。プレミアム分の20%は市が補助する。
このほか西東京市のマスコットキャラクター「いこいーな」を車体にデザインした「ラッピングトレイン」が今秋、西武線にお目見えする。さらにスマートフォン向けのアプリを活用して災害時に役立つツールを準備するなど、地域の魅力発信をあの手この手で図っている。
総合計画で掲げた温暖化対策の一環として、市内の街路灯約1万4000灯を今後10年計画でLEDに切り替える。民間企業のノウハウや資金、技術力を生かす試みだ。
新年度予算案は2014年度補正予算案などとともに、2月27日から開く2015年(平成27年)第1回西東京市議会定例会に提出する。
丸山浩一市長は記者会見で、「厳しい財政事情の下、行財政改革を着実に進めながら、西東京市の総合計画に基づいて、健康・元気作り、子育て・教育環境の充実、商店街の活性化など地域振興・地域づくり、それに安全で住みやすいまちづくりなど、選挙で掲げた4つの公約実現を図りたい」と述べた。
下野谷遺跡の土器類が保管されている郷土資料館の拡充などは当初予算案に盛り込まれていない。この点について丸山市長は「そういう声があることは承知しているが、文化財保護審議会で現在、文化財保存・活用の計画の作成が進行中なので、それを待って検討したい」と述べるにとどまった。
保谷庁舎と田無庁舎の統合については、「昨年4月に素案を発表した後、パブリックコメントや説明会を開くなど市民の声を聞いた。この1月には行財政改革推進委員会から『意見』も出されている。それらを踏まえて庁内でいま慎重に検討が進められ、今年度中には市の方針を発表する。いずれにしろ全市的な課題なので、丁寧な説明を心掛けたい」と話していた。
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