不動産鑑定士協会と西東京市が災害時協定
西東京市と公益社団法人東京都不動産鑑定士協会は6月29日、災害時に市が同会に協力要請できる「災害時における住家被害認定調査等に関する協定」を締結した。被災者の早期生活再建を目的に住宅被害調査・相談体制の強化を図る。同協定を結んだのは、都内では江戸川区に次いで2番目、多摩地域の自治体では初めてとなる。
同会は、不動産の適正な価格・利用などを調査し鑑定評価額を決める「不動産鑑定士」約2000人で組織されている。昨年4月に発生した熊本地震では、東京都の要請を受け、翌月から12月まで延べ143日間、選抜会員が南阿蘇村に派遣され、被災住宅の外観・内部調査などの支援活動に従事した。
協定書には、市の職員と連携して被災した住宅を訪問し、建物全体、基礎、屋根、外壁、建物内部などの被害調査をする。また、市が発行した、罹(り)災証明書の内容について市民からの相談の補助をすることなども盛り込まれている。
同協会の吉村真行会長は、「熊本地震で培った支援活動の技術知識を生かし、専門家の使命として災害支援協力に尽力したい」と語った。
西東京市の丸山浩一市長は、「熊本地震の後、被災地の宇土市に行き、り災証明書の発行など勉強させていただきました。協定を結ばせていただくことは、20万市民にとっても有難いです」と話した。
(柿本珠枝)
【関連リンク】
災害時における住家被害認定調査等に関する協定を締結しました(西東京市Web)
・公益社団法人東京都不動産鑑定士協会(HP)
【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。
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