Print This Post Print This Post

同性パートナーシップ公的承認の陳情採択、補正予算など可決 西東京市議会第2回定例会終わる

本会議で予算特別委員会の審査を報告する藤田美智子委員長

 西東京市議会(田中慶明議長)第2回定例会は会期最終日の6月25日、2つの補正予算案をともに全会一致で可決したほか、同性パートナーシップの公的承認の陳情を全会一致で採択した。都有地での農薬使用を市の取り組みに準拠するよう求める請願は賛成少数で不採択となり、建設環境委員会での採択が本会議で覆った。

 同性パートナーシップ公的承認の陳情は、この制度の導入に向けた協議の開始を求める内容。承認制度を創設することによって「西東京市が性的マイノリティーにとっても住みやすい多様性が尊重される魅力的な市になっていただきたい」としている。

 討論に立ったのは3人。いずれも賛成の立場だった。中村駿氏(共産)は「都内の8区4市が同性パートナーシップ制度や条例で性的マイノリティーについて取り組んでいる。世界では同性婚を認めているのが25カ国、同性パートナー制度は27カ国」と述べたうえで、「台湾では今年5月、同性婚を承認する特別法がアジアで初めて成立した」と紹介。「性的マイノリティーへの支援」を盛り込んだ市の第4次男女平等参画推進計画に基づき、「当事者の声をしっかり聞いて施策を検討することが重要」と述べた。

 生活者ネットの加藤涼子氏は「性的マイノリティーへの差別や偏見を解消し、自己決定権を尊重する社会的な気運は今年に入って加速度的に高まっている」と述べ、2月に同性カップル13組が訴訟に踏み切り、4月には都内の豊島区、江戸川区、府中市などが同性パートナー制度を導入し、全国では21自治体に上ると説明。茨城県が7月1日から同制度を都道府県で初めて導入する、と紹介した。「西東京市は目の前の市民の声に向き合い、人権尊重に向けて何らかのアクションを起こすべきだ」と主張した。

 統一会派みらいの冨永雄二氏は「性的マイノリティーの方々への理解の増進は極めて重要。社会に自然に受け入れられるために一定の施策が講じられることも必要」と前置きした。そのうえで「欧米では性的マイノリティーは差別され迫害され、主に宗教上の理由で同性愛は犯罪とされてきた」歴史的背景があると指摘。「とりかえばや物語」「東海道中膝栗毛」などの古典を取り上げながら「日本は性的マイノリティーの方々に寛容な文化を持っていた」と説明。「欧米に合わせて法や制度を変えていく必要があるのかとの疑問の声もある」と述べ、「公的承認の制度導入を前提とせず、ゼロベースで協議する立場から陳情に賛成する」と意見を述べた。

 丸山浩一市長は6月12日、加藤涼子氏の一般質問への答弁で、「性的マイノリティーへの理解促進についてはまず第4次男女平等参画推進計画を確実に進める」と述べ、「多様性を受け入れる地域社会の土台を固めることが重要」「当事者の方々との交流を進め、日常生活で支障を来しているか、どんな不利益を蒙っているか、市への要望などを丁寧に聞きたい」「いじめや差別、偏見は人権問題。性的な多様性への理解を市民全体で共有できるよう啓発活動を進めたい」と基本姿勢を述べた。

 「都有地での農薬使用を、市の取り組みに準拠するよう求める請願」は、農林水産省と環境省が農薬の適正使用と飛散防止を自治体に通知していると指摘。西東京市も市立公園などで「薬剤散布はしていない」ことを踏まえ、都営住宅団地自治会が草地やベランダ下などで除草剤や農薬を使っているとして、「関係各所、各団体に西東京市の取り組みに準拠した上で、適切な対処をしていただきたい」と要望している。

 採決では賛成が11人(共産4人、生活者ネット2人、坂井和彦=立憲フォーラム、小峰和美=統一会派みらい、田村広行、納田さおり、森輝雄の3人は無所属)、反対16人(自民8人、公明5人、森信一・佐藤大介=立憲フォーラム、冨永雄二=統一会派みらい)となり、賛成少数で不採択となった。建設環境委員会(坂井和彦委員長)では可否同数となり、委員長の裁決で採択だったが、本会議で逆転した。

 このほか、児童扶養手当を受けている未婚のひとり親ら「単身児童扶養者」の個人住民税の非課税措置を定める市税条例改正案などを可決。これに関連してひとり親に臨時・特別給付金を支給するなどの補正予算案(第2号)と、幼児教育・保育の無償化で3億円を追加する補正予算案(第3号)も全会一致で可決した。補正後の西東京市の一般会計予算総額は721億831万円となった。幼児教育・保育の無償化は、消費税率10%への引き上げによる増収分を財源に見込み、10月実施を予定している。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・付議案件・結果(令和元年第2回定例会)(西東京市Web
・西東京市第4次男女平等参画推進計画(西東京市Web)(特に第4章を参照)
・住宅地等における農薬使用について(農林水産省
・住宅地などでの農薬使用をお考えの方へ(西東京市Web

 

(Visited 111 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA