学び合って生きる力を取り戻す場に ひばりヶ丘駅北口のカフェ&サロン「HALUM」

投稿者: カテゴリー: 暮らし環境・災害 オン 2020年6月1日

店の前で。店主の草間さん

 西武池袋線ひばりヶ丘駅北口の一番通り(オリンピック通り)は、昔ながらの店が軒を連ねるにぎやかな通りだ。その奥に、ライトブルーのしゃれた建物がある。「サスティナブルカフェ&サロン HALUM(ハル)」だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休んでいたが、緊急事態宣言解除後は6月5日から再開し、当面、木・金・土曜日の週3回開店して地球や暮らしの在り方を考える映画会やお話し会などの企画をすすめていく。

 

疲れを癒してやりたいこと考える時間

 

 店長の草間賢子(くさま・まさこ)さんは「この2カ月近くほとんど収入がない。給付金の申請もしたが、どうなるか? 自粛が解かれても前と同じではないだろうし。この休業期間は体と心の疲れを癒す時間にした。新しい時代がはじまるとも感じている。本当にやりたいことを見つめている」と言う。

 

自然にこだわる品物を

 

自然と調和する生き方取り戻した

 

 「HALUM(ハル)」を開店したのは、2016年の11月。「地球の恵みを感じながら、心と体、人と人、地球と私たちの愛溢れるサスティナブル(持続可能な)世界」をコンセプトに、食・環境・身体と心、暮らしについて一緒に考える場所にしたいと思ったからだ。店の名前も、「Harmony・Love&Light・Mother Earth」の頭文字をとり、季節の変化がはじまる「春」の意味も込めて名付けた。

 1階の「オーガニックビーガンカフェ」で植物性素材の食事を出す。イベント会場にもなる。2階はセラピー、ヨガ、瞑想などの「自然療法サロン」。ワークショップやセミナーなども企画してきた。ケーキなどの通販もしている。

 草間さんは11年前にシンガポールに住んでいた。
 3人の子育てが一段落した後に体調を崩し、心身の不調に悩んだ。身体の仕組みを理解し納得したいと自然療法士に学びんだ。その時、ストンと落ちたのは「私たちには自己治癒力がある。それを信じて生きよう。自然と調和した生き方、自分らしく生きるのが喜びだし幸せだ」ということだ。それで、楽になって物の見方が変わり、徐々に元気になった。
シンガポールは多民族国家で、国民はそれぞれの文化を認め合いながら生きている。それを実感し、「いろんな人がいてもいいんだ」と思えるようにもなった。

 

織物や雑貨も置いている

 

「直感」で店決め、映画とお話、野菜も販売

 

 日本に帰ってきた時、その経験を活かして自宅でサロンを開き、セラピストや講師活動を始めた。自分が救われた世界をもっと知ってほしいと「食」や「自然療法」などを中心にした「HALUM」を開店した。店の運営など経験したこともなかったが、たまたま空いていた店舗を「直感で」決めた。

 開店した当初はなかなか目がいかなかったが、昨年から「地元に才能がある人たちがいっぱいいる」と気づいた。その人たちとつながって才能を発揮してもらいたいと、1階を活用して映画上映+お話し会+食事会を始めた。

 「SEED~生命の種~」上映会と自然栽培農家島村正史さんのお話(野菜直販有)や、映画「みつばちと地球とわたし」上映とお話し会などを続けてきた。ジャズなどの音楽会も始めた。身体の治癒力を高めるセラピーやヨガ、日本の食卓を大切にしたいと麹をつくる会も開いた。イベントは有料だが、植物由来のランチやケーキを提供する。店には人に勧めてもいいと思う織物や雑貨も置き、販売している。

 地球に関心をもっているので、毎年いこいの森公園(西東京市)の「アースデイ」に「カレーライス」を提供し参加している。アースデイは、国連のよびかけに応えて「地球環境を考える日」として世界中でお祭りが開かれている。西東京でも今年16回目を迎えるはずだった。が、コロナ感染拡大で中止。2021年開催をめざして活動している。草間さんも実行委員の一人だ。

 「店の空気がうまく流れるまでは時間がかかった。はじめは眠れなかった。昨年からやつと眠れるようになった」と草間さんは頬を緩ませた。

 活動も広がった。やりたいこともある。食べるものの源は土壌、土が育てた農業にも興味がある。活動も店もやっと軌道にのってきたと思い始めた矢先の「休業」だった。

 

自然栽培の野菜も販売

 

生き方見つめなおし、自然との関わり楽しむ場つくりたい

 

 新型コロナウイルス感染で感じたのは、暮らしや生き方を見つめなおす必要があるということだ。それで、休業中にもお話し会で知り合った島村さんの育てた野菜やHALUM手作りのケーキなどを毎週1回木曜日の午後に販売している。知り合いの人たちと「みつばち」の紙芝居づくりも進行中だ。みつばちは地球環境が整わないと生きていけない。そのことを知ってほしいと考えての企画だ。環境に関するオンライン上映会も始めた。

 2カ月近い休業状態が続いた。自粛が解除されても元に戻るのは大変だ。個性のある小さなお店が元気でないと、まちも商店街も生活している人も元気にならない。

 「自粛解除になってもコロナウイルスはなくならない。ほんとうにやりたいことは何かを考えている。その一つが農を中心とした小さなコミニュティーづくり。いろんな人が集まって、自然とのかかわりを楽しむ。そんな場所にしたい。それと、「HALUM みんなで学ぶみんなの学校」を考えている。学び合って、生きる力をとりもどす場にしたい」と話す。

 6月からの自粛解除後の6月5日から、木・金・土曜日の週3回店を開店する。平和、フードロス、貧困、教育をテーマにしたオンライン映画上映会や自然と調和した暮らしを考える企画を計画している。「綿」にも関心があり、神奈川県の藤野町で「綿づくり」も学び始めた。9月には、生活の基礎でもある衣食住の「衣」についての上映会とお話し会をやる予定だ。
(川地素睿)

 

【関連情報】
・HALUM(HP

 

川地素睿
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学び合って生きる力を取り戻す場に ひばりヶ丘駅北口のカフェ&サロン「HALUM」」への1件のフィードバック

  1. 貫井万莉
    1

    東久留米で生まれ、ひばりが丘に住んでいます。 60歳で会社員生活を終えて、2年間奈良で生活をしました。地方の良さを知りながら、自分が生まれ育った場所に帰ることを決めました。 ひばりが丘でのコミュニティー活動に関われたらと考えていた時にこの記事を読みました。 とても素敵な取り組みだなと刺激を受けました。 ありがとうございます。

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