東伏見公園内の市道廃止へ 東京都に無償貸付方針に説明要求
東京都立東伏見公園の中を走る市道路線を廃止し、東京都に無償貸与する方針が、6月12日に開かれた西東京市議会の委員会で明らかになった。市道路線の廃止議案は建設環境委員会で可決されたが、企画総務委員会で、市有財産の無償貸与方針に議員から異論が出て、閉会中の特定事件として今後審査することになった。
この市道は東伏見公園を東西に横切る218号線の約291mと、接続する219号線24mの計315m。この日の建設環境委員会(坂井和彦委員長)で道路管理課が説明したところによると、東京都から公園の一部として一体的に運用するため、路線廃止の要望があったという。
同時に開かれた企画総務委員会(大林光昭委員長)は所管事務調査として、都立東伏見公園内の市道廃止後の公有財産処分について市側に説明を求めた。
企画政策課は「路線廃止後の市道部分は市の普通財産となり、公園管理者の東京都に無償貸与する方向で協議する」と説明した。この「無償貸与方針」に質問が相次いだ。
納田里織氏(無所属)は「(旧)東大農場の赤道(古くは道路として利用されていた土地)は売却したのに、市の財政事情が厳しいなかで、無償貸付はない。売却すべきではないか」と質した。これに対し企画政策課は「東大農場のケースはその土地に大学の建物を建てる予定と聞いている。今回は市民が利用出来る公園なのでケースが違う。都は市から買い取る意向はないとの話だった。買い取りの事例もない」などと答えた。
稲垣裕二氏(自民)は東大農場の赤道の面積と売却額、公園内市道の広さや評価額、貸与期間などを尋ねた。
公共マネジメント課によると赤道は約1600㎡、売却額は1億3200万円と見込んでいる。公園内の貸与予定市道部分は約1000㎡、道路西側の相続路線価は1㎡当たり約25万円と明らかにした上で、「道路の形状は不定形で、不動産価格を推計するのは難しく、まだ正確な数字は出していない。当面無償貸与としているが、今後協議を続けて期間を決める」「都との契約は年内を目指している」などと答えた。
稲垣氏は「廃止される市道部分はざっと2億5000万円になる計算だ。自分たちの土地を、価格も出さず期限も決めないで貸す、ということはありますか」と疑問を投げかけた。
休憩を挟んで公共マネジメント課は「市有地を無償貸与する契約については引き続き都と協議を続け、できるだけ短い期間、単年度を軸に考えたい」と説明した。
委員会は、都に貸与予定の面積、価格、測量図の資料を要求し、閉会中の特定事件として審査することにした。
(北嶋孝)
【関連情報】
・市道路線の廃止(議案46号-47号関係資料)(PDF:527KB)
・西東京市議会企画総務委員会(youtube)
・西東京市議会建設環境委員会(youtube)
・都立東伏見公園(西東京市Web)
・東伏見公園(むさしの都立公園)