国内初のブラインドサッカー専用コート 小平市に6月オープン
日本ブラインドサッカー協会(JBFA)は、小平市の丸井研修センター内に6月、日本初のブラインドサッカー専用コート「MARUI ブラサカ!パーク」がオープンしたと発表した。競技力の向上や次世代選手の育成、競技普及の拠点として活用する。
JBFAは2009年からパートナー企業の丸井グループと、顧客参加型の体験イベントや社内研修への導入などを通じてブラインドサッカーの普及活動に努めてきた。専用練習場の設置は選手育成を目指すJBFAの念願だった。
オープンした専用コートは人工芝の長さが違う2面が設置され、出場する大会に合わせて練習することができる。併設のクラブハウスにはユニバーサルデザインを取り入れ、弱視の選手が移動しやすいよう通路の壁やサインはコントラストのある色遣いや凹凸をつけるなどの工夫を施している。
東京パラリンピックに開催国枠で初出場する予定だったブラインドサッカー男子日本代表の選手らは、新型コロナウイルスの影響で活動自粛と在宅トレーニングを強いられてきたが、6月10日に専用コートを使った初のトレーニングを実施した。
主将の川村怜選手は「専用グラウンドが日本で初めてできたことは歴史的な第一歩。ブラインドサッカーはチームメイトに視覚障がい者と晴眼者が当たり前にまざっており、理想とする社会の実現に影響を与える競技だと思う。この場所がブラインドサッカーの聖地のような場所になってほしいと思う」とコメントを発表した。
ブラインドサッカー(5人制サッカー)は、ゴールキーパー以外は全盲の選手がアイマスクを着用して鈴入りのボールを使ってプレーする。コートはフットサルとほぼ同じ広さで両サイドにはフェンスが設置される。試合時間は前後半各20分の計40分。
(片岡義博)
【参考情報】
・[メディアリリース](日本ブラインドサッカー協会)
【筆者略歴】
片岡義博(かたおか・よしひろ)
1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。著書に『文章のそうじ術』(言視舎)など。小平市在住。