コロナ下の自主避難所開設訓練 西東京市が大型台風接近を想定して
西東京市は8月18日、大型台風が関東地方に接近しているとの想定の下に、市立向台小学校体育館で、自主避難所の開設訓練を実施した。新型コロナウイルス感染が拡大する中で、自主避難所の開設と運営を担う市職員の対応力向上を図る試みだった。
昨年10月の台風19号の際、西東京市は初めて自主避難所を開設した。地域防災計画による避難所は、避難勧告などが出された場合に開設されるが、自主避難所はその前段の対応。今回は昨年の経験を織り込みコロナ禍を想定して「避難施設・管理運営ガイドライン別冊(感染症流行時版)」を作成して訓練に臨んだ。
午前9時30分。体育館に集まったのは、自主避難所の配置要員となっている市職員ら約70人。危機管理課の職員が、自主避難所を開設する実施項目を7つに分けて説明した。
まず最初は校長への報告に始まり、いすなど備品の使用許可、校門の開放、案内表示の設置、カラーコーンによる動線確保などが必要となる。次は停電対策のためのランタンや投光器、発電機などの設置場所を確認。ガラスが割れて飛び散らないようにカーテンを閉じるなど、必須なのに気付きにくい項目が並んだ。
避難所スペースのレイアウトに移ると、体育館がにぎやかになった。「ガイドライン別冊(感染症流行時版)」によると、一般避難者は体育館を想定。床にテープなどの目印を付けて、区割りを決めていく。段ボールベッドや間仕切り、赤ちゃんなどに配慮したファミリールームの組み立てに人が集まった。
同じガイドラインでは他に、発熱など感染が疑われたり、自宅療養の人たちは教室を使うなど専用ゾーンを確保して、トイレや手洗いも完全分離するなど細かなレイアウトが示されていた。
開設の準備を重ねて、いよいよ受け付け開始となる。一般避難者、要配慮者(高齢者、乳幼児)、感染疑い者などのゼッケンを付けた職員が避難者カードに記入。受け付けで検温、消毒を実施して、それぞれのスペースに案内された。
この日の訓練は受け付けまで。実際の運営や閉鎖作業の前でひとまず終わった。
体育館は出入り口を開放して大型扇風機を設置。猛暑が続くなかでの環境対策訓練も兼ねた。
(北嶋孝)
【関連情報】
・自主避難所の開設訓練を実施します(西東京市Web)
・西東京市避難施設・管理運営ガイドライン別冊(感染症流行時版)を作成しました(西東京市Web)