ブリヂストンイノベーションギャラリー公開 企業の歩みや先端タイヤを紹介

投稿者: カテゴリー: 文化 オン 2020年11月21日

スタッフが企業の歩みを説明

 世界最大手のタイヤメーカー、ブリヂストンの歩みや事業活動を紹介した「ブリヂストンイノベーションギャラリー」が11月21日、小平市小川東町3丁目にオープンした。昨年12月に閉館した企業博物館「ブリヂストンTODAY」をリニューアルした施設。午前10時の開所から近隣の夫婦や子ども連れが次々に訪れ、館内を案内するスタッフの説明に耳を傾けていた。

 

 ブリヂストンは1960年代に国内2番目となるタイヤ工場と技術センターを小平市に開所した。現在は航空機用ラジアルタイヤを専用に生産しており、近隣小学校への出前授業や体育館・グラウンドの開放、納涼祭開催などを通じて地域との交流を図ってきた。

 

 現在、技術開発の拠点である小平地区を再開発し、複合エリア「イノベーションパーク」を開設する計画を進めている。イノベーション促進のため社内外との交流を図る施設や試作タイヤのテストコース、多目的スポーツ施設などからなり、最初の施設となるイノベーションギャラリーは当初、6月オープンの予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため延期されていた。

 

フロアではさまざまなタイヤに触れることができる

F1マシンのタイヤを開発

 

 2階建ての展示フロアは大きく4つのエリアに分かれる。創業からの歩み、ゴムとタイヤの性質や役割、モータースポーツやゴルフボール、人工筋肉、義足、免震ゴムなどさまざまな分野における取り組みを実物や映像、パネルで紹介している。実際のタイヤに触れるだけではなく、ゴムの弾性や伸縮性を体感できる機器、ゴルフスイング解析機、ドライビングシュミレーターなど体験型の展示もある。

 

 未来に向けた活動を紹介するエリアでは、ゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた独自開発の新素材「SUSYM(サシム)」製タイヤのほか、月面での有人探査活動用タイヤ、走行中に道路からの給電に対応したタイヤなど、先端技術が開く世界に触れることができる。

 

映像や実物など多様なスタイルで展示

ゴム人工筋肉を体感する器具と新開発の義足用ゴムソール

 

 自動車業界は電気自動車の普及や自動運転化など100年に1度とされる変革期を迎えている。ブリヂストンは「イノベーションを通じた新たな価値創造、持続可能な社会の実現に向けた変革を実現する拠点として小平地区の再構築を図りたい」としている。

 

 ギャラリーは入場無料。開館時間は午前10時?午後4時。日曜・祝日・年末年始は休館。
(片岡義博)

 

【関連情報】
・Bridgestone Innovation Gallery(ブリヂストン

 

【筆者略歴】
 片岡義博(かたおか・よしひろ)
 1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。小平市在住。

 

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