西東京市の特養老人ホームでワクチン接種始まる 市内高齢者にはクーポン券発送
西東京市の高齢者施設4ヵ所で4月19日、入所者や職員に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。この日は65歳以上の高齢者約5万2000人にワクチン接種のクーポン券(接種券)も発送された。市は予約体制を整備して5月上旬から受け付け、中旬からの一般の高齢者の集団接種などを進めたいとしている。(写真は、「痛い?」「痛くない!」=特別養護老人ホーム保谷苑)
この日の午後、西東京市栄町3丁目の特別養護老人ホーム「保谷苑」(多久島靖子苑長、定員69人)で、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。1階の部屋に車いすで来た入所者(93)は左腕をたくし上げ、医師の問いかけに答ながら淡々と受け答え。注射するときは顔をしかめていたが、終わったら「ありがとうございました」。もう1人の入所女性(90)は元気いっぱい。接種のあとも「全然痛くない。注射は平気なんだから」と話していた。
やはりワクチン接種を済ませた介護福祉士の女性職員(28)は「(注射の針が)刺すときはチクッとしたけれど、あとは痛くない。インフルエンザワクチンの方が痛いくらい」と話したあと、「ワクチン接種で高齢の方々の感染リスクがなくなれば、介護する私たちとしても安心です」と話していた。
保谷苑は入所者のうち接種希望は65人、職員の希望者は45人だった。この日の接種は入所7人、職員8人の計15人。今後6日間で第1回を終え、5月に第2回を実施予定という。多久島苑長は「入所者のみなさまや職員がワクチン接種できれば、施設のクラスター発生リスクを抑えられます。入所者のご家族も安心するのではないでしょうか」と話していた。
国から今回供給されたワクチンは2箱。975人が2回接種できる分量だった。このため市内の特別養護老人ホーム9ヵ所の入所者と施設職員の希望者に限定して接種することになった。
この日はまた、ワクチン接種のためのクーポン券が、市内の65歳以上の高齢者約5万2000人に発送された。市は5月上旬から電話(コールセンター)とウェブ(特設ページ)の予約を予定。田無庁舎2階の会議室とエコプラザ西東京(泉町3丁目)、ひばりが丘中学校移転先の新校舎体育館(ひばりが丘3丁目)の3ヵ所の集団接種会場を準備する。
視察に訪れた池澤隆史市長は苑内で接種の状況を見たあと、高齢者施設でのワクチン接種やクーポン券発送に触れたながら「やっと始まりました。これからワクチンの供給状態を見ながら、希望する市民が速やかに接種できるよう準備を整えたい」と述べた。
(北嶋孝)
【関連情報】
・西東京市新型コロナワクチン掲示板(西東京市Web)
・保谷苑(社会福祉法人都心会)