田無庁舎2階

西東京市にワンストップの「おくやみ窓口」 8月から田無庁舎にお目見え

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙暮らし オン 2022年3月15日

 親族が亡くなると、残された人たちは悲しみを癒す間もなく、必要な手続きに追われる。関係機関の多くの窓口を回わる。二度三度で済まない場合も少なくない。西東京市はそんな遺族の意を汲み、(仮称)「おくやみ窓口」を今年8月から開設して市民の負担軽減を目指す。(専用「窓口」設置予定のスペース=田無庁舎2階)

 

 人が亡くなると死亡届を役所に届け、火葬許可証を受け取る。経済的な負担の少ない市民葬儀を望めば、近隣を含めて取扱店を利用できる。葬儀が一段落すると、複雑な手続きが控えている。

 西東京市が今年2月に改定した「お悔やみ手続き」によると、市役所の手続きだけでも多岐にわたる。印鑑登録証の返還、世帯主変更から始まって、国民年金や介護保険の手続き、市税の相続人代表者の指定、納税口座の変更、固定資産の現所有者の申告、受けていた諸手当の廃止や変更など長~いリストが続く。個別の状況によって異なるけれども、「概要」部分に記載された手続きだけで32項目にのぼる。

 

「おくやみ手続き」

「おくやみ手続き」全22ページ。「遺族の一助に」と作成された

 

 市役所以外の手続きも欠かせない。遺族厚生年金や未支給年金の請求、相続税や不動産登記、普通自動車の廃車・名義変更、運転免許証の返納などのほか、預金、株式、国債、クレジットカード、電話、電気・ガス料金、NHK受信料などもある。年金事務所や税務署、警察署など点在する関係機関を回らなければ手続きは終わらない。

 専用窓口が開設されるのは田無庁舎2階。市民課や保険年金課の窓口の並び、イスなどが置かれた控えスペースの一角が予定されている。相談は原則として予約制。遺族からあらかじめ状況を聴き取り、関係部署と調整の上、遺族を迎える。

 このワンストップサービスが明らかになると、開会中の市議会第4回定例会の本会議で各会派の議員から発言が相次いだ。遠藤源太郎氏(自民)は自らの体験を振り返り「両親が亡くなったときは大変苦労した。市役所がこういう手続きを示してくれるのは本当にありがたい」と力を込めた。佐藤公男氏(公明)は「初めて提案してから4年かかったが、実現に感謝したい」と前置きした上で「私もご遺族に何度も同行したが、手続きは本当に大変。ワンストップでできるのはありがたい」と話した。佐藤大介氏(立憲フォーラム)は「制度も大切だが、血の通った職員の対応が大切」と要望した。

 池澤隆史市長は答弁の中で「ご遺族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めたい。事前予約制だが、状況によっては予約がなくても臨機応変に対応できるようにしたい」と述べた。

 市民課によると、多摩地域でお悔やみの専用窓口が確認できたのは八王子市と立川市。八王子市の「おくやみコーナー」は予約制。市役所内での手続きの案内や受付をするほか、市役所外での手続きに関する相談にも対応する。立川市も予約制だが、コーナーで案内した後は、各担当窓口で手続きする方式。ほかに大田区、豊島区、葛飾区にも窓口が設けられている。

 内閣府もIT総合戦略の一環として「おくやみコーナー」を設置する市町村支援に力を入れ、2020年5月に設置ガイドラインや利用マニュアルを整備。先進自治体として三重県松阪市の事例を紹介するなどしてきた。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・おくやみ手続きご案内(西東京市Web
・施政方針(西東京市Web
(注:最後の項目「行財政基盤の強化を絶えず目指すまち」に(仮称)「おくやみ窓口」が載っている)
・「おくやみコーナー」を設置する市町村支援(政府CIOポータル

 

北嶋孝
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