傍聴席でスマホによる資料閲覧を 小平市議会が賛成多数で請願採択 市民に開かれた議会を目指して
小平市議会は3月定例会最終日の3月29日、傍聴席でスマートフォンを議会資料の閲覧目的で利用できるよう求めるなどした請願を賛成多数で採択した。傍聴席でスマホなどによる閲覧を認めている議会は全国の自治体でもまだ限られている。採択を受けて小平市議会は今後、議会運営委員会などで傍聴の環境改善に向けて検討を進める。(写真は、小平市議会の傍聴席)
請願をしたのは、市内の自主グループ「政治・知りたい、確かめ隊」。2003年に発足後、市民に身近な市議会を目指して月1回の定例会や議会傍聴、会報発行、市長選・市議会選時の公開討論会といった活動を続けてきた。2008年には本会議の中継映像公開を求めた請願を実現させるなど実績を重ねている。
「市議会の傍聴に関する環境改善について」と題する今回の請願は、以下の4項目を求めている。
①現在、定例会の一般質問などは直前にタイトルだけが市議会のウェブサイトで公開されるが、一般質問通告書など本会議や各種委員会で閲覧可能な資料もPDFファイルにしてウェブサイトで公開する。
②現在、議会資料が文書ファイルの形で5部、閲覧者向けに傍聴席入り口に置かれているが、閲覧者の人数制限がなくなるよう資料をウエブ公開し、傍聴席で閲覧目的のためスマホなどの電子機器を利用できるようにする。
③会議録のウェブ公開を現在の本会議終了後の3カ月後よりもできるだけ早期に公開する。将来的には約1カ月後の公開を望む。
④議事中の適度な水分補給のため、傍聴席への飲料持ち込みを許可する。
傍聴規則の全国的な動向は議会事務局や全国市議会議長会でも把握していない。「政治・知りたい、確かめ隊」の調べによると、近隣7市(小金井、国分寺、立川、東大和、東村山、東久留米、西東京)のうち、一般質問通告書がPDFで閲覧できるのは、小金井市と東村山市のみ。両市と立川市は傍聴席でスマホなどによる閲覧ができる。会議録のウェブ公開は全市で本会議終了後の3カ月後になる。飲料持ち込みを許可しているのは、小金井、立川、東村山の3市で、東大和市はコロナ対応のため許可している。
請願内容とは別に、西東京市、東村山市、小金井市をはじめ多くの市議会では、本会議と常任委員会などのライブ中継と録画映像が視聴できるが、小平市議会は本会議の録画映像のみ。定例会が開始した段階で前定例会の録画映像は視聴できなくなる。現在、本会議のライブ中継の実現に向けて検討を進めているという。
「政治・知りたい、確かめ隊」代表の森野やよいさんは「請願のうちのいくつかは細かな問題点を詰めていかなければならないため、実際の運用までには時間がかかるかもしれない。市議会には市民が何を望んでいるかを知ってもらい、さらに開かれた議会を目指して少しずつでも傍聴環境を改善していってほしい」と話している。
(片岡義博)
【参考情報】
・小平市議会傍聴規則(小平市)
・政治・知りたい、確かめ隊(こだいらネット)
- 地域報道サイト「はなこタイムス」が新年開設 北多摩北部のニュースを掲載 コミュニティーFMくるめラ社長が運営 - 2023年12月25日
- 「担任教諭と同級生のいじめで不登校に」 いじめ重大事態の児童側、小平市を提訴 市議会で市長が報告 - 2023年11月28日
- 小平市が第3子以降の給食費を無償化 来年1月~3月分を補正予算案に盛り込む - 2023年11月24日