小平市議会

マスクを着けられない子どもを認めて 小平市議会が全会一致で請願を採択 学校の感染予防ガイドライン修正へ

投稿者: カテゴリー: 新型コロナウイルス市政・選挙子育て・教育 オン 2022年2月28日

 小平市議会は3月定例会初日の2月28日、新型コロナウイルス感染をめぐってマスクを着けていない子どもを差別しないよう指導することなどを求めた請願を全会一致で採択した。請願は給食時の黙食やマスク会食についても見直すよう求めており、教育現場の行き過ぎた感染対策の緩和を求める署名運動が実を結んだかたちだ。採択を受けて、近く「小平市立学校版感染症予防ガイドライン」の一部が修正される。(写真は、全会一致で請願が採択された小平市議会)

 感染防止に向けた子どものマスク着用をめぐっては、賛否さまざまな議論が交わされてきた。厚生労働省は「可能な範囲でマスクの着用」を推奨する一方、感染による未成年者の重症化や死亡のリスクは極めて低いとしており、学校における過剰な感染対策が集中力やコミュニケーション力、学習意欲の低下など、子どもたちの健全な心身の成長を損ねているとの調査結果も出ている。

 「富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議」が最新の医学データに基づいて保護者に向けて作成したリーフレット(富山市のホームページで公開)では、感染症対策が肥満ややせ過ぎ、不眠やイライラなど子どもたちの心身に変化をもたらしている、と指摘している。

 採択された請願「市立小・中学生の健全な成長、発達のための教育活動を求めることについて」では、主に以下のことを求めている。

①常時マスクを着用することの影響について、感染症予防と、児童・生徒の健全な成長・発育に与えるリスクとの両面について、教職員、児童・生徒、保護者に周知する。
②身体的・精神的、発達上の問題でマスクを着用できない子どもや、常時のマスク着用に不安や不快、不調を感じて学校生活に支障をきたす子どもがいることを周知し、マスク不着用の子どもと保護者の意思を尊重して差別や圧力が生じることのないよう指導する。
③このことを小平市立学校版感染症予防ガイドラインに記載し、教育委員会として各市立小・中学校に通知する。
④同ガイドラインの「学校給食及び昼食」の項目に記載されている「児童・生徒が対面して喫食する形態を避け、会話を控える」「喫食の際、マスクは喫食直前に外し、喫食後は速やかにマスクを着用する」という部分について、「会食に当たっては、飛沫を飛ばさないよう、例えば、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要」などとする文部科学省の衛生管理マニュアルに準じた見直しを検討する。

 

ガイドライン

文科省と小平市のガイドラインの比較(「子どもの豊かな育ちのための会小平」作成)

 

 請願をしたのは、市内に住む主婦の小野真帆さん。昨春、小学1年になった長女が「マスクをすると苦しい、つらい」と訴えたことから、学校側に相談して9月からマスクを着けずに通学した。すると周囲から「話す時はマスクをして」「なぜマスクをしないのか」などと言われ、学校で孤立するようになった。「私は悪い子なの?」と毎日泣いて訴える長女は11月から学校に行かなくなった。学校側とは話し合いを重ね、市教委、都教委、文科省にも相談したが、状況は変わらなかった。

 「マスクを着けられない子も楽しく学校に通えるようにしてほしい」。小野さんから相談を受けた伊藤ひさし市議をはじめ、複数の市議や市内の母親たちが訴えに賛同して集まり、「子どもの豊かな育ちのための会小平」として、昨年12月から「子どもたちの豊かな育ちのための署名」と題する署名運動をスタート。街頭演説や商店街回り、市議会各会派巡り、情報収集に奔走した。

 

署名活動

小平駅前で署名を呼びかける「子どもの豊かな育ちのための会小平」メンバー(同会提供)

 

 署名文では「子どもたちは『優しさ』から、また大人に怒られるかもしれないという『恐れ』から、大人が言うことを素直に受け入れ適応していきます。だけど本当は『マスクが苦しい』『楽しく給食が食べたい』。そんな小さな声を大人が塞いでしまっているように思えて仕方がありません」「子どもたちの権利を大人が守りませんか。十人十色、みんな違ってみんないいんです。どんな子でも受け入れる思いやりのある環境にしたいと思いませんか」と呼びかけた。

 今年2月2日、生活文教委員会で約6時間にわたる審議の結果、全会一致で可決。28日の市議会で、全国から集まった2636筆の署名が承認されたことが報告された。

 

傍聴

市議会の傍聴を申し込む「子どもの豊かな育ちのための会小平」メンバー

 

 請願の筆頭紹介議員の安竹洋平さんは「陽性者数が増大する中で請願採択は難しいと思われていたが、何よりも保護者たちの声が大きく、短期間で集まった多くの署名が後押しした。現場の先生たちも悩んでいて、状況の打開を願っていた教職員や市職員にとって今回の請願が果たす役割は大きいと思う」と話す。請願採択を受けて市教育委員会はガイドラインを見直すことになる。

 小野さんは「マスクを着けるか着けないか、どちらの意見もあっていいし、どんな意見も尊重してほしい。今行き渡っている情報だけでは、着けられない子どもの居場所がなくなる。マスク着用のデメリットも知ってほしい。その意味では今回の請願はスタートライン。署名運動をきっかけに全国から同じような悩みを持つ保護者から相談が寄せられている。今後、情報交換を進めていきたい」と話している。
(片岡義博)

 

【関連情報】
・子どもたちの豊かな育ちのための署名活動(HP
・子どもの豊かな育ちのための会小平(HP
・小平市立学校版感染症予防ガイドライン(小平市
・学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル(文部科学省
・富山市立学校 新型コロナウイルス感染症対策検討会議だより(富山市

 

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マスクを着けられない子どもを認めて 小平市議会が全会一致で請願を採択 学校の感染予防ガイドライン修正へ」への1件のフィードバック

  1. 光安美和
    1

    とても良いですね!
    全国的に広がってほしいです。
    子供たちを開放してあげて欲しい。
    そして大人も平常心を取り戻して欲しいです。

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