
「皆さんに感謝」 病乗り越え84歳で初の個展 西東京市の菊池昌子さん
西東京市在住の主婦、菊池昌子さん(84)が、5月7日から11日まで、西武新宿線・西武柳沢駅近くのギャラリー「スペースコウ」で「菊池昌子水彩画展 多摩の風景と静物」を開催する。80代にして初の個展、しかも4年前に患った脳梗塞を乗り越えての開催に菊池さんは「支えていただいている皆さんに感謝したい」と感慨深く語った。(写真は、自宅アトリエで絵に囲まれて語る菊池昌子さん=倉野武撮影)
武蔵野市生まれの菊池さんは、結婚、長女出産後の54年前から西東京市で暮らしてきた。長女、次女の子育てが少し落ち着いた40代のころ、健康のため体操教室に通っていた柳沢公民館で、「静かに過ごせるものもやってみたい」と、絵画サークル「彩友会」に参加。絵は「学校でやったぐらい」だったが、「サークルで最初の先生は理論的なことからはじまり、ほめて伸ばしてくださって、次の先生には、自分の気持ちを表現する心構えを教えていただいた」と振り返る。
月3回のサークルでの活動は、2018年の秋に脳梗塞で倒れるまで約40年続けた。脳梗塞は自覚症状こそなかったが、顔の表情に違和感を覚え、診察を受けて判明。治療、リハビリで半年間入院し、退院後も後遺症のリハビリを続けている。入退院、リハビリの日々のなかで、それまでに描いてきた約100点の絵を振り返り、「これだけの絵を自分は描いてきたんだなと、絵をやっていたことが支えにもなり、また絵を描きたいと思いました」と少しずつ再開。
さらに、絵のことにも詳しいケアマネジャーから「ここまで描くなら、体力をつけて個展をやりましょう」と背中を押され、ギャラリーでの開催にこぎつけた。
個展では、脳梗塞で倒れる前に描いた約20点を展示する。静物画のほか、「子育てと同時に私も育てられた地域、ここに住む人たちも好き」と東大農場や千川上水、武蔵関公園など周辺の風景を描いたお気に入りの作品もあり、「写真とは違う、私なりの表現ができた絵を楽しんでいただけたらうれしい」。
開催に向けて、家族や地域の人たちの応援や協力も続々と得られ、「大きな病気をしても、何か目標を持てば励みにもなるし、手を差し伸べてくださる人もいるということを伝えたい」と話した。
個展は、「スペースコウ」(西東京市柳沢6-1-11秋桜マンション103)で午前11時から午後4時30分(最終日は午後4時)まで。詳細は同ギャラリー(☏090-4718-8558)へ。
(倉野武)
【関連情報】
・菊池昌子水彩画展 多摩の風景と静物(スペース コウ)(Instagram)
- 「皆さんに感謝」 病乗り越え84歳で初の個展 西東京市の菊池昌子さん - 2022年4月28日
- 「ここに学校があってよかったと思われるように」 『自由学園一〇〇年史』刊行で高橋学園長語る - 2021年12月31日
- 公募イラストで作成 西東京市「野菜たっぷりカレンダー2022年版」完成 原画展も - 2021年12月27日