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取材申請から事前チェック条項外す 東大・生態調和農学機構の施設

投稿者: カテゴリー: メディア・報道 オン 2015年9月6日
東大西東京キャンパスの正門

東大生態調和農学機構の正門。

 東京大学の附属施設を取材する際「放送や掲載前に原稿チェックへ同意すること」が「必須事項」と、施設サイトの取材申請ページに定められていた。書き上げた原稿を提出して事前チェックを受けないといけないのかと、施設側に詳しい説明を求めたら、間もなく申請ページの記載が差し替えられ、原稿チェック条項が「必須」から外された。「誤解を招かないため」との説明だった。

 原稿の事前チェック条項は、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構(西東京市緑町)の農場博物館とハス見本園のWebページに掲載されていた。

 内容は共通で、「取材をご希望の場合は、事前に以下の内容を記載した取材申請書(書式自由)を生態調和農学機構に提出し、許可を受けてください」とあり、機関・代表者情報(社名・記者名・連絡先など)のほか、目的、内容、同行者数が「申請書への記載必須事項」として列挙され、最後に「放送や掲載前に生態調和農学機構が原稿チェックを行うことへの同意」が明記されていた。

 8月26日(水)に同機構事務室から事情を聞き、27日(木)嶋田透機構長にメールで問い合わせた。同事務室によると、9月1日(火)に定例のスタッフ会議が開かれ、関連ページの差し替えなどが決まった。翌2日までに作業が終わったという。

ハス見本園の修正前の取材規定(赤の下線は編集部)

修正後の取材規定(赤線は編集部)クリックで拡大

ハス見本園の修正前の取材規定(赤の下線は編集部)

ハス見本園の修正前の取材規定(赤の下線は編集部)クリックで拡大

 修正後は、原稿チェック条項が申請書の「記載必須」から外され、前文の最後に「なお、放送や掲載の前に原稿を確認させていただければ、内容に誤りがないかチェックいたします」と姿を変えた。

 事務室の小原京介専門職員は、「掲載される記事内容に明かな間違いがあり、苦情が寄せられたケースが過去にいくつかあった。原稿チェックの条項はこのため、取材内容に誤りがないよう事実関係を確認するために設けられたと思う。これまでメディアの取材申請を何件も受けてきたが、クレームはなかった。(1日の)会議で話し合い、誤解を招かないため農場博物館やハス見本園の該当ページの表現を差し替え、農学機構全体の取材ルールを掲載した」と話している。

 農場博物館とハス見本園のページは、農学機構の副サイト仕立てとなっていて、デザインもレイアウトも別仕様だが、取材申請書の提出先はともに「機構事務室」となっている。これまで生態調和農学機構の本サイトに取材規定ページはなく、今回「お知らせ」ページの末尾に同趣旨の「取材について」が追加された。

 嶋田機構長は再度の問い合わせに対して「機構内の定例の会議で、取材申込の受付方法を改めて検討し、その結果にもとづいて、機構のウェブページの記載を一部修正いたしました。適切な記載になったかと思いますので、ご理解いただければ幸いです」とのコメントを寄せた。

 農業博物館は、明治時代から使われてきた農機具や文化財的価値のある図解、書籍を備え、「農業」と「食」の原点をテーマにした展示を実施している。
 ハス見本園は、大賀ハスなど日本の在来種をはじめ、世界各地の200種を超える品種コレクションを備えた教育研究施設。ここで作出された新種「緑地美人」は人気が高く、初夏の一般公開と観蓮会には毎年、多くの見学者が訪れている。

 これまでの取材申請に関して事務室は「ハスの一般公開や、西東京市と共同で実施しているひまわり迷路のイベントで何件か申請があった。しかし統計を取っていないので正確な数は分からない」という。取材申請の内容や審査実態に関して担当者に問い合わせたが、具体的な説明は得られなかった。

 東京大学本部広報課によると、大学としてメディアの取材などに対する共通基準はあるが、具体的な取材申請の手続きなどは各学部や施設が決めているという。

 学内各施設の取材手続きを各Webサイトから見ると、取材申請ページが見当たらない場合が少なくない(医学研究所、東洋文化研究所、社会科学研究所など)。もちろん取材手続きを定めている施設は多い。地震研究所の場合は問い合わせページで、見学や講演依頼などの選択肢から「取材依頼」のラジオボタンをチェックし、取材内容などを書き込んでフォーム形式で送信する。大気海洋研究所は「メディアの方へ」ページを設け、敷地内の無断撮影をしない、研究環境を損なわないなどのほか、「後日、出版物等を一部提供する」に同意して、申し込みフォームに進む。

 低温センターは「取材・撮影実施要領」を掲載し、「(本センターの)品位を傷つけ」たり「個人的な利益や営利目的に利用」したりする取材は「認めない」と明示。その上で「取材・撮影内容を公表する際は、その可否について公表前に必ず本センターの承諾を得ること」との条件を設け、誓約書の提出を求めている。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・東大・生態調和農学機構(取材について
・ハス見本園(写真撮影・取材
・農場博物館(取材について
・東大低温センター(取材ご希望の方へ

 

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