生活ジェフリーのスタッフ

震災被災者と市民らが「声の便り」で交流 FM西東京「元気か~い 3.11ラジオです」、12日から全4回

投稿者: カテゴリー: 環境・災害 オン 2022年11月10日

 西東京市に住む東日本大震災の被災者が、市民や市職員とともに交流と近況を語るFM西東京の番組「元気か~い 3.11ラジオです」(全4回)が11月12日(土)から放送される。来年2月まで毎月第2土曜日の午前10時から30分間の生番組。スマホでもパソコンでも聞くことが出来る。(番組を企画した市民団体のスタッフ。右から2人目が渡辺美恵さん)

 

「3.11から10年」表紙

『3.11から10年」表紙(クリックで拡大)

 番組の企画は、市内のNPO法人生活企画ジェフリー(渡辺美恵理事長)が中心となった。ジェフリーは女性問題に取り組んできた市民団体だが、震災後に西東京市内に避難した被災者を支援。2012年から被災者と支援者の交流会「元気か~い」を毎年2回続けてきた。しかしコロナ感染が拡大し、2020年初めに開けなくなった。

 2021年1月には被災者の現状や交流を記録した『3.11から10年-東北被災者と西東京市の人びとが紡いだ日々』を刊行。その後はコロナ禍で途絶えた交流を取り戻そうと、「ひとこと近況集」と名付けた冊子を相次いで発行して関係者の状況を伝えてきた。今回の番組は、交流会「元気か~い」の名称を引き継いだ。

 初回の12日は、宮城県女川町出身の東海敬子さんが出演する。自宅は波高15メートルの津波で流された。病院職員だった夫も喪った。震災の3ヵ月後から西東京市に住み、パリテまつりややぎさわマーケットのほか、交流イベントにも参加してきた被災者の一人。

 第2回は12月10日。福島県富岡町で原発のプラント設計の仕事に携わってきた古堅益三さん。3回目は来年1月14日。震災後に岩手県釜石市に派遣され、避難所運営支援活動を体験した市職員の藤澤正樹さんと、市の避難者支援事業を担当した賀陽賢一さんの2人が話す予定。最後の第4回は2月11日。市内の被災者が集まる「みちのく・まほろば会」会長の後藤恭子さんが出演予定。後藤さんは福島県浪江町出身。

 

作家志賀泉さんのギター演奏もあってにぎやかな交流会に(2017年12月2日)

交流会

手作りコーナーの指導役も参加者(2018年3月18日)

交流会

連想ゲームを楽しみました(2019年9月21日)

 

 番組企画は渡辺さんらジェフリーのメンバーが話し合った。司会・進行のキャスター役は渡辺さん、サブキャスターはメンバーが担当する。「3.11から10年」の発行などの企画内容が西東京市のNPO等企画提案事業に採択され、市の職員も協力して今回の番組実現にこぎ着けた。渡辺さんは「(生活企画ジェフリーの)会員は各地にいます。ラジオだとそういう全国の人たちにも聞いてもらえます」と話している。

 FM西東京の制作室長、飯島千ひろさんは「近況集」を読み、感動した一人。「被災者の方々の近況報告に、スタッフが短いコメントを付けています。そのやり取りを読み、気持ちが温かくなりました。活字に閉じ込めておくのはもったいない。ぜひラジオ番組で、みなさんの思いを『声のたより』にしてほしいと渡辺さんたちにお願いしました」。

 西東京市市民課によると、市内在住の被災者が最も多かったのは震災翌年2012年3月1日時点の74世帯196人だった。それから10年余り。今年11月1日現在は41世帯100人と、半数近くになったという。いま市内に住んでいる被災者の思い、支援する人たちの願いは何か。全4回の番組から発信されるメッセージに耳を傾けたい。

 FM西東京をパソコンで聞くには、FM西東京の次のページ(ブラウザ版プレーヤー)から。スマホでは、FM++(プラプラ)のアプリをダウンロードして「エフエム西東京」を選択する。聞き逃したら、FM西東京の番組ページから後日、聞くことが出来る。
(北嶋孝)(写真は、生活企画ジェフリー提供)

 

【関連情報】
・元気か~い 3.11ラジオです【11月から新番組】(FM西東京
・「元気か~い 3.11 ラジオです」(生活企画ジェフリー「ジェフリー通信」第123号

 

北嶋孝
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