夜空の星を見て歓声 3年ぶりの「ふれあい冬の星空観測会」 保谷第一小校庭に親子ら140人余
冬の寒さが厳しい季節は、夜空の星々がとりわけ輝いて見える時期でもあります。西東京市の保谷第一小学校校庭で1月末、北町コミュニティセンター主催の星空観測会が3年ぶりに開かれました。企画・解説を担当した馬場恒夫さんの報告です。(編集部)
北町コミュニティセンター(旧北町ふれあいセンター)では、2000年以来毎年夏は栄小学校、冬は保谷第一小学校を会場とし、年2回の星空観測会を続けてきた。開催日時は土曜日の夜とし、雨天の場合は日曜日に順延した。しかしコロナのため2020年冬の観測会を最後に休止していた。
コロナ禍も少しずつ収まりかけた1月28日(土)、3年ぶりに冬の観測会を保谷第一小学校校庭で行うことになった。主な対象は保谷第一小学校と栄小学校の児童・保護者と近隣の住民で、事前申し込みの必要は無く、当日自由参加である。同センター発行の「ふれあいニュース」第137号(1月1日発行)に開催情報を載せ、各小学校にはチラシを配布して周知を図った。企画と解説を馬場が担当し、当日はセンターのスタッフ10余人が出て、望遠鏡の準備・操作、室内会場の設営・受付、整理などに当たった。
28日(土)は朝から冬らしい快晴、午後には風もおさまって絶好の観測日和となった。日没後の5時半、1階教室に続々と親子や一般参加者が集まり30席ほどはすぐにうまり、周りにずらっと立ち見の人垣ができる状態になった。
観測のメインである惑星の話を中心に、資料の星図の見方などを解説した。6時から校庭に移動し10㎝屈折望遠鏡、15㎝反射望遠鏡、20㎝セレストロンの3台で金星、半月、木星、火星を見た。月面のクレーター、木星の4つの衛星、金星の強い輝き、火星の赤い色など望遠鏡ならではの映像で、子どもたちの「見えた」の声が響いた。
当初の計画では、恒星の代表としてシリウス(銀色)とベテルギウス(赤色)、オリオン星雲とプレアデス星団(すばる)なども見る予定であったが、校庭に出てからも人数が増え140人以上にもなり、順番待ちが長蛇の列となってしまった。結局、半月と惑星の観測で7時になり終了した。参加者は親と小学生が主であったが、幼児も多数ついて来ていて望遠鏡をのぞくのに手間取ったりしていた。
校庭に早くから来た子どもには1番星(金星)、2番星(木星)を見つけさせたり、並んで待っている時には随時冬の大三角、オリオン座、おおいぬ座、おうし座など肉眼で見える星の説明をしたりした。北極星はどこですかと質問する人もいた。
夏の星空観測会は、例年夏休み中に行ってきた。観察の対象は月とその時期に見える惑星と七夕に因んで天の川・ベガ(織姫星)・アルタイル(彦星)などである。天体観測でもっとも印象的なのはやはり土星で、リングが見えると子どもはもとより大人も感嘆の声をあげた。今回は土星がほぼ太陽の方向に重なり見ることができなかったので、次回夏の観測会にはぜひ土星を入れるように計画したい。
(馬場恒夫)
【関連情報】
・北町コミュニティセンター(西東京市)
【筆者略歴】
馬場恒夫(ばば・つねお)
1934年生まれ。三鷹で育ち、1964年以来、下保谷に在住。「下保谷の自然と文化を記録する会」会員。元都公立小学校校長、元中央区プラネタリウム解説者。