演説動画や公開アンケートを投票の参考に 小平市議選で市民団体が情報提供
4月16日告示、23日投開票の小平市議会選挙(議員定数28人)を前に、各市民団体が立候補予定者の演説会の動画配信や公開アンケートを実施し、有権者に対して投票の参考になる情報の提供を試みている。選挙公報やポスター、候補者のチラシでは十分わからない候補者の人となりや政治信条、政策目標などを手作りの方法で伝える試みだ。
■なぜ立候補しようと思ったか
統一地方選の投票率は全国的に漸減傾向にあり、前回の小平市議選(2019年)の投票率も44.2%と過去最低を記録した。市政に対する関心を高め、投票率アップに向けた対策が求められている。
市民団体「政治・知りたい、確かめ隊」は、前回2019年の市議選では立候補予定者を会場に集めて聴衆前の演説を動画配信したが、今回はコロナ禍に配慮して、公民館で2日間に分けて個別収録した演説動画を4月5日からYouTube(ユーチューブ)上で配信し始めた(4月15日まで)。
2月に開かれた「立候補手続等説明会」参加者のうち連絡が取れた32人に案内し、呼び掛けに応じ、日程の都合がついた計25人(現職16人、新人9人)が収録に参加した。手話、字幕付きで「なぜ小平市議選に立候補しようと思ったか」を1人5分以内で話してもらい、それぞれこれまでの活動実績や自らの政治信条、市政が抱える課題などを訴えた。
昨年12月の西東京市議選ではFM西東京が「政見動画」をYouTubeで配信した。市議選は政見放送が法律で認められていないため、選挙管理委員会と連絡を取り合っての企画だった。「政治・知りたい、確かめ隊」も立候補前の選挙運動(事前運動)にならないよう演説内容や表現を細かくチェックし、場合によっては撮り直したという。
代表の森野やよいさんは「投票は立候補しようとしている人がどんな人かを知ることから始まると思う。立候補予定者の全員が参加できなかったのは残念ですが、日程の設定や運営方法などで今後改善していきたい」と話す。
■市民に政策を知ってもらう
一方、市民団体「わたしたちのまちのつくり方」は、立候補予定者に8項目の公開アンケートを実施し、31人から得た回答をサイト上で公開した。アンケートでは「安全・防災」「福祉」「子育て支援」など小平市が注力すべき10の政策分野のうち「最優先の3つと次に優先する3つ」を挙げてもらったほか、「小平駅北口再開発」「公民館有料化」「男女共同参画」など7つの具体的な課題について「YES」「NO」「その他」で回答を求めた。
質問に際しては、各課題に関する小平市の現状を行政資料や図表を用いた解説を添えた。共同代表の神尾直志さんは「アンケートを通じて小平市が進めている都市計画などの政策を有権者に知ってもらいたいという狙いもある。自分の考えを行政に反映させるため、じっくりアンケートを読んで選挙に行ってほしい」としている。
(片岡義博)
【関連情報】
・政治・知りたい、確かめたい(こだいらネット)
・わたしたちのまちのつくり方(HP)
・西東京市議会議員立候補者政見動画配信公開! お一人お一人の考え、想いを聴いて、 あなたの大切な一票を投じましょう!(FM西東京)
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