親子でタケノコ掘り、明保中の地域学校協働活動で 西東京市の旧民族学博物館跡地

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育 オン 2023年4月20日

 昨年末に清水建設の社宅跡地にできた保谷スダジイ広場の、そのまた奥に広がる竹林で、明保中学校の地域学校協働活動の一環として、「親子でタケノコ掘り」の収穫体験が4月16日(日)に行われた。さわやかな春の一日、地下に太く根を張る手ごわいタケノコに挑む親子の歓声が響いた。

 

タケノコ掘り

親子でタケノコ掘り。お父さんがんばって!

 

 この日の午後、天気予報では夕立が予想されていたが、竹林の前に集まった人々の熱気のせいか、雨雲も黄砂も容易に近づけない。

 明保中学校地域学校協働活動事務局と社会教育課の共催による「親子でタケノコを掘ろう! 2023」は、明保中学校と東小学校の親子27組を迎えて行われた。

 今回のイベントは、清水建設、地域学校協働活動のボランティアや、下保谷の自然と文化を記録する会などの協力・連携のもと行われた。

 

タケノコ探し

宝探しのようなタケノコ探し。どこにタケノコの頭が隠れているかわからない

 

 モウソウチクの竹林は清水建設の敷地内に昔からあった。この地に民族学博物館ができた1937年より前の記録にもあり、竹やぶの小道を行くと農家の小さなお稲荷さんの祠(ほこら)があったとのこと。この地の農家の人たちは竹を日常生活に利用したり樽のタガ用に売ったりしていたので、竹林はなくてはならないものだった。博物館閉館後、清水建設の社宅であった当時は、近隣との目隠しにもなるので残されていたのだろう。

 タケノコ掘りは、前後半の2班に分かれた。タケノコ掘りをする班と、どんぐり工作やマシュマロあぶりをする班。どんぐり工作は、どんぐりの実でトトロの人形や飾り物を作る。マシュマロあぶりは、割りばしの先端にマシュマロをさし、七輪の炭火でほんのり焼き色をつけて食べる。タケノコ掘りでなくても、子供たちは驚くほど真剣だ。

 

どんぐり工作

どんぐり工作に集中

マシュマロあぶり

マシュマロあぶり もう食べていいかな

 

 タケノコ掘りは、タケノコとの格闘。まずどうやってタケノコを掘り起こすのか、スタッフが実際に掘ってコツを伝授。小さいクワを使用するが、力を込めて周りの土を掘り起こさないと、奥のタケノコの根元に届かない。

 さあ本番。あちらでもこちらでも、親子で、交代でクワを入れる。やっとのことでタケノコを掘り上げると、周りの人たちからは拍手と歓声が起きる。めでたし、めでたし、タケノコ、ゲット。

 

タケノコ掘り方伝授

伸びすぎのタケノコを使って掘り方を伝授

 

 満足そうにタケノコを入れた袋を持って家路につく親子に、どうやって食べるのかを聞くと、みながみな、「たけのこご飯」と答える。

 なるほど、硬い根元も軟らかい先端部も入り交じって食べやすいから、それが正解かもしれない。

 さて地域学校協働活動というのは、耳慣れない言葉だが、主催側の明保中学校地域学校協働活動事務局は、最初のモデル校として2021(令和3)年度から活動を始めた。

 「学校を核とした地域づくり」を目指して、2017年の社会教育法の改正によりガイドラインが策定され、西東京市は2021年度から始動。学区ごとに、学校と地域が連携・協働して子供を育て、大人も共に学ぶ。子供たちが地域に住む人々の思いや生き方を知って、地域に愛着をもってほしいという。活動の中心となる地域学校協働活動推進員という専門のコーディネーターが順次学区ごとに置かれてきている。
 コロナの影響下にあったここ3年の地域活動の停滞を経て、今後の活動の進展が期待される。
(萩原恵子)(写真は筆者撮影)

 

【関連情報】
・親子でタケノコを掘ろう!(明保中学校
・「社会に開かれた教育課程」の実現のためのコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進(令和4年度 第1回 西東京市総合教育会議
・「地域学校協働活動」のあるべき姿 (提言)(西東京市教育委員会

 

【筆者略歴】
 萩原恵子(はぎわら・けいこ)
 石巻出身。震災以後、友と石巻の応援ブログを細々続ける。「地域博物館を創ろう連合会」事務局担当。下保谷の自然と文化を記録する会会員。元「屋敷林の会」代表。校正者。著書『タヌキの伝言』(けやき出版)、松田宗男と共著『武蔵野鉄道が通る!』

 

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