池澤市長

若者・子どもにも切れ目ない支援 西東京市が生活者中心の物価高騰対策 補正予算案に盛り込む

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2023年5月31日

 西東京市は長引く物価高騰対策として市民を対象にした電子商品券方式のプレミアム応援カードを販売し、特に若者らに手厚いプレミアムを付与する。高齢者には1枚5000円の応援カードを配布。さらに1人5万円の学生特別給付を今年も続けるほか、国の事業で対象にならない子育て世帯の児童に市が独自で給付する。0歳~18歳対象が目に付く国の制度と併せ、19歳を超える若者世代や高齢者まで、制度の隙間をなくし、切れ目のない生活支援を目指す一般会計補正予算案(第3号)を、6月2日から始まる同市議会第2回定例会に提出する。池澤隆史市長が5月29日の記者会見で明らかにした。

 

 若者向けにプレミアム500%の応援カード

 プレミアム応援カード事業は、電子商品券方式のカードを一般向けに1枚4000円で販売。2000円(50%)のプレミアム付きなので6000円分の買い物ができる。1人2枚まで購入可能。発行枚数は前年とほぼ同じ5万5000枚を予定。8月から申し込みを受け付け、引き換え購入期間は11月1日から同30日までの1ヵ月間を予定している。補正予算額は約1億7000万円。

 19歳から29歳の若者には特に、カード1枚1000円で販売。プレミアムは破格の5000円(500%)が付き、購入額は一般分と同じ6000円となる。1人2枚まで購入でき、発行枚数は3万枚の予定。1枚は必ず販売するが、2枚目は発行枚数を超えたら抽選となる。8月から受付開始、購入期間は11月中。約1億9000万円を計上した。

 

池澤市長

記者会見で話す西東京市の池澤隆史市長

 

 池澤市長は会見で「これまで国の制度では0歳から18歳までの子どもは支援の対象になるけれど、それ以外の若者は手薄との指摘があった。そのため今回初めて、物価高騰の影響を受けている19歳以上の若者を特にプレミアムカード販売の対象にした。他の自治体では例がないと聞いている」と述べた。

高齢者応援カード

昨年販売された高齢者プレミアム応援カードの見本(クリックで拡大)

 65歳以上の高齢者には1枚5000円のカードを配布する。発行枚数は5万1000枚。10月に郵送予定。補正予算額は約3億200万円。昨年はコロナ禍のフレイル予防対策として発行、今回は物価高騰の影響を受ける生活の応援を目的に掲げた。

 

 学生等応援特別給付金も独自給付

 市内在住の大学生らを対象に、生活支援と学びの機会の継続を目的にして1人5万円を給付する。要件は19歳~29歳の市内居住者のうち(1)住民税非課税で、課税者に扶養されていない(2)日本学生支援機構の給付奨学生の認定を受けている(3)西東京市の受験生チャレンジ支援貸付事業を利用している-のいずれかを満たす場合、としている。市の独自事業として昨年度の給付実績は約360人。今年度は対象を広げたこともあって約500人を見込み、補正予算額は約2880万円。

 

 国の支給対象外の子育て世帯に独自給付

 国の子育て世帯生活支援特別給付金(児童1人当たり5万円)は、今年度はひとり親家庭を対象とした児童扶養手当の3月分の支給を受けた人や低所得の子育て世帯らとなっていた。市内のすべての子育て世帯が生活支援を受けられるようにするため、市は国給付の対象以外となる、18歳以下の児童を養育しているすべての保護者に対し、児童1人当たり1万5000円を支給する。対象児童は約3万人と見込み、約4億6700万円を計上。

 国の支給対象なのに離婚・別居など事情があって給付金を受給できない世帯などにも児童1人当たり5万円を支給する。対象児童数は30人を見込み、約160万円を計上した。「家庭内暴力で別居していたり住民税均等割非課税世帯と同じような経済状態にあったりする方々がいたら、まずはご相談ください」(子育て支援課)と呼び掛けている。

 給付金の支給だけではない。ルームエアコンや冷蔵庫などを省エネタイプに買い換える費用の助成に約7000万円を計上し、省エネ支援と同時に物価高騰による家庭負担軽減も図っている。

 池澤市長は「今回提出する補正予算案(第3号)は約29億円、このうち約20億円は0歳から高齢者まで、物価高騰の影響を受けた市民の生活支援事業です」「次は、事業者支援を検討しています。物価高騰対策の第2弾です」と語った。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・西東京市長記者会見 資料(令和5年5月29日実施分)(西東京市Web

 

北嶋孝
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