まちライブラリーでがんサロン開催 好きな本を一冊持ち寄り心をつなぐ

投稿者: カテゴリー: 健康・福祉文化 オン 2023年12月23日

 西東京市のMUFG PARK内にある、本を持ち寄りみんなで育てる図書館「まちライブラリー」で12月15日、西東京市と小平市のがん患者支援団体が共催するイベント「本でつむぐ心のふれあいサロン@まちライブラリー」が開かれた。参加者は小説、絵本、エッセーなど、大切にしている一冊をそれぞれのエピソードとともに紹介し、本をきっかけにした新たな交流の輪が広がった。

 

まちライブラリー

まちライブラリー

 

本を介して思いを共有

 

 開催のきっかけは、小平市在住の水戸部ゆうこさんが自著「がんなのに、しあわせ」をまちライブラリーに寄贈したことに始まる。まちライブラリーを実際に訪れ、そのたたずまいに一目ぼれしたこと、そして「一人一冊本を紹介する」という形でイベントが開催できることを知り、今回のイベントを企画したという。

 会場が西東京市内ということもあり、かねてから交流がある西東京市を拠点に活動する「がんを経験した女性のコミュニティ カラフルリボン」にも声をかけ、水戸部さんの主催する小平市の「キャンサーおしゃべりカフェ」との共催となった。

 当日は日頃から両団体の活動に参加している人や、今回のイベント開催を知って都内から参加した人など8人が集い、それぞれが選んだ本を紹介した。紹介された本は若いころから大切に持っていた絵本、家族を失った後に手にした写真集、長年繰り返し読み続けた小説、がんの正しい情報を伝える漫画など、さまざまな分野の本。どれも、がんになったり、がんで大切な人を失った今の気持ちを癒したり、語り手それぞれを支えてくれる大切な一冊で、本の紹介をきっかけに誰もが自分の思いを多様な視点で語っているのがとても印象的だった。

 

まちライブラリー

本でつむぐ心のふれあいサロンで話を聴き合う参加者

 

 イベントを企画した水戸部さんは「本を通じて人が集まって、いい時間でした。自分の知らない世界観が見えました」と今回の企画に手ごたえを感じていた。参加者の小平市在住の女性は「とっても素敵な空間で本とともにたくさんの話を共有できました」と話す。

 

地域で仲間の輪を広げる

 

 今回、準備段階から担当したまちライブラリーのスタッフ、吉原さんは、ここでのがんサロン開催は初めての試みという。「オープンスペースでの開催だったので、参加する方がどう思われるか、開始前は気になりました。実際に準備段階ではそういった声を耳にもしましたし、病気や日々の生活について、様々な不安や心配事もたくさん出てきていましたので。ただ、始まってみると、終始会話がとぎれることなく和やかな様子だったので、こういった場での開催で、参加されたみなさんのお気持ちに少しの変化があればうれしく思います」と語った。

 まちライブラリーとは地域に働き、住み、訪れる人々が「本」を通じてお互いを知り、関係を作ろうという活動だという。日頃から地域にピア(仲間)が必要だというがん当事者や家族、支援者の思いをまちライブラリーが自然な形で体現してくれる恰好の機会となった。

 落ち着いた空間でほんのしばらくの間、デジタルな世界から切り離されて、人、本と向き合うとても贅沢な時間。地元西東京市にこのような環境があることをとても誇りに思った一日だった。
(髙倉理恵)

 

【関連情報】
・一般社団法人まちライブラリー(HP
・がんサロン~CancerおしゃべりCafé(HP
・がんを経験した女性のコミュニティ Colorful Ribbons (HP

 

【筆者略歴】
 髙倉理恵(たかくら・りえ)
 西東京市在住。がんを経験した女性のコミュニティ Colorful Ribbons 代表。西東京市を拠点にがんサバイバー向けのイベントや情報発信を行っている。ひばりが丘団地内ひばりテラス118で定期的に「がんママカフェ・ひばりが丘」を主催。

 

 

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