大根がデカい! 暖冬の影響で路地野菜が育つ
年の瀬が迫る[2015年]12月29日午後、西東京市住吉町付近を通りかかったら、農家の裏口にお手製の張り紙が出ていた。「三浦大根・キャベツ 青首大根・サトイモ ブロッコリー・ネギ・ニンジン」。「三浦大根」の四文字は、太い赤線で囲まれていた。夜の食卓が頭をよぎり、庭先にそっと足を踏み入れた。目に飛び込んできたのは、どデカい大根の山だった。
「ほら、暖冬だから大きくなったのよ。育ち盛りの時期に雨も降ったしね。大根だけじゃなくて小松菜もホウレン草も、みんな大きくなった」
売り場に出てきたおばあちゃんが教えてくれた。確かに、並んでいる青首も三浦も、大根の白と葉っぱの緑がみずみずしくて色鮮やか。しかも太い、長い、重い! 葉付きの青首は優に1mを超え、大根部分は半分の50センチほど。持つとズッシリした手応えがある。スーパーの棚に並ぶ大根とは比較にならない重量級だった。
大根を抱えた姿を写真に撮らせてほしいとお願いしたら、写真も名前も手を振ってお断り。「わたしゃ今、取り込み中なんだから」。はいはい。軽くあしらわれてしまった。受け答えの合間にも、お客さんが次々にやって来て、庭先の野菜を買い求めていた。
持ち帰って秤にかけたら、三浦大根は3.3キロ、青首大根は4.1キロもあった。値段は200円と100円。最寄りのスーパーで求めた青首大根は1キロほどで1本125円だった(写真右端)。農家直売はサイズも貫禄も桁違い。しかも直売は安い。正月も買いに来たいと告げたら「もう店じまい。年末限り。だってモノがないから、1月はお休み」。ちょっと残念な言葉だった。
先週末、JA東京みらい保谷支店の農産物直売所に出かけたときのことを思い出した。売り場の担当者は「スーパーで売っているのはサイズが一定の規格品。でも今年は暖冬の影響で、畑の野菜は大きいですよ」。ハウス栽培と違って、露地ものはお天気次第。暖冬の影響が、各地の野菜にも影響を与えているようだ。
(北嶋孝)(写真は筆者撮影)
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