15年間の長期包括契約決まる 柳泉園組合のごみ焼却施設運営が民間委託へ

投稿者: カテゴリー: 環境・災害 オン 2016年8月25日
柳泉園組合のクリーンポート

柳泉園組合のクリーンポート

 西東京、清瀬、東久留米3市のごみを共同処理する「柳泉園組合」(東久留米市下里4丁目)のごみ焼却施設「クリーンポート」の運営管理を、15年間の長期包括契約で民間に一括委託することが、8月24日(水)に開かれた同組合議会で決まった。委託期間は来年2017年7月から2032年6月まで。経費は総額144億4000万円に上る。この8月中に入札の公告、2017年2月に落札の決定、3月に契約の予定。新設施設で長期包括契約の例はあるが、既存の施設を途中から長期包括契約に変えるケースは東京都で初めてという。

 この日開かれた同議会第3定例会で、15年間の委託経費の債務負担行為を含む一般会計補正予算案が全会一致で可決されたため、長期包括契約が決まった。

 今年8月初めに公表された「クリーンポート長期包括契約運営管理事業実施方針」によると、この事業は「民間の創意工夫による提案を取り入れ、経費の効率化と適正化を図る」ため。入札方式は、価格面や提案内容も含める「総合評価一般入札」とし、学識経験者を含む審査会を設置して落札者を選定する予定。

 委託内容は、ごみの収集・搬入、焼却炉の運転管理、定期点検などの維持管理、排気ガスの計測や分析など環境管理、作業報告などの情報管理、温泉プールへの熱供給、施設の防災など、ほぼすべての業務を包括し、それぞれの分野で組合と民間業者との責任分担を定めている。クリーンポートは稼働してから15年を過ぎ、予定されていた大規模改修事業も委託事業に含んでいる。

 

焼却炉の運転管理を担う中央制御室

焼却炉の運転管理を担う中央制御室

 

 事務局の試算によると、長期包括方式にすると、契約期間の15年間に計43億5500万円のコスト削減効果が見込まれるという。

 焼却炉3基は現在、組合が2組、民間委託が2組の計4系統のチームで運転している。今後は5年後に組合の1組を減らして民間3組、10年後にはすべて民間委託する方針。

 議会審議では、15年は長すぎないか、長期包括方式で民間に「丸投げ」したら組合のチェック能力が担保されるか、などデメリットへの懸念に質問が集まった。

 組合のアンケート調査によると、長期包括契約を結んでいるのは全国で約30施設あり、平均契約期間は15.9年だった。途中から長期に変更するケースも10施設以上あり、最近の新設施設はほとんど長期包括方式で、期間は20年以上が多いという。

 チェック対応に関しては、委託しても10年間は組合職員が炉の運転管理に携わるほか、毎日の朝礼や毎月の定例会議などにも参加して、各種の技術資格を持つ職員が対応できる、としている。
(北嶋孝)

 

【関連リンク】
・柳泉園組合クリーンポート長期包括運営管理事業 実施方針(平成28年8月、PDF)(柳泉園組合
・柳泉園組合議会平成28年定例会(柳泉園組合

北嶋孝
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