「潤いの時間」を届ける「cocokara」の4人 手作りの小イベント積み重ね

投稿者: カテゴリー: 暮らし オン 2021年5月22日
ペナント

4つの風船は4人を表現したというロゴ入りペナント(クリックで拡大)

 2人のハンドメイド作家と2人のリラクゼーション施術者が、地元で小さな癒しの場所を創り出している。「ちょっと行ってみようかな」と思った。毎日の暮らしを楽しくする身の回りのものと出会ったり、健康を保つヒントを知ったり、新たな人や物に出会うことが楽しそうだ。5月12日、東久留米市大門町の「ケーキ工房 シャモア」の2階で行われた「cocokara」をワクワクしながら訪ねた。

 

 抜群のチームワーク

 

 東久留米駅北口から歩いて数分のところにある「ケーキ工房シャモア」は創業30数年、地元の人には親しみのあるケーキ屋さんだ。2階がレンタルスペース「スペース77」。元々はお寿司屋さんだった。

 

 階段の途中から楽しそうな声が聞こえてきた。

 入り口で検温、消毒してくれたのはハンドメイドの小物作家「夜なべ兎」の川北忍さん。小上がりの部屋では「耳つぼLove_eggs」の熊谷さんと「足もみすみちゃん」の原澄子さんがお客さんに施術している。会計を担当していたのは布小物を製作する作家「HARETANE*」の宮史芽さん。ロゴのデザインどおり、4人が協力してことを運んでいた。

 

 元はカウンターであったと思われる平台には「蜂蜜」「焼物」「ヒノキの雑貨」が並んでいる。「ゲストコーナー」だそうだ。地元落合川のほとりにある蜂蜜屋さん「Kis Erdo(キシュ エルドゥ)」、支援学校の生徒たちが作った焼物、新座市のリフォーム会社「リファインひばりヶ丘」のヒノキの「ヒノキバウム」(ヒノキの丸太を輪切りにした厚さ1.5センチ〜3センチの板)。cocokaraの4人と地元の繋がりを感じるラインアップだ。

 

 「HARETANE* 」と「夜なべ兎」の作品もマスク、バッグ、キーホルダー、ハンカチなどの実用品が並んでいる。種類も豊富、色とりどり、見ているだけでも楽しくなる。

 

HARETANE*コーナー

手触りのよい木綿の小物が並ぶHARETANE* コーナー

 

 時折やってきたお客さんが、様子をみて「また後で来るね」などと一旦帰って行く。近くに住んでいるので、空いている頃にまたきます、ということなのだろう。地元ならではの気安さだ。

 

 「足もみ」の施術を終えたお客さんに話を聞いた。

 「施術は初めて受けました。痛いのは苦手なのですが、とても丁寧に説明をしてくださり、安心して受けることができました」と話した。ご自身も編み物の作家で、イベントの際に「足もみすみちゃん」と知り合いになったという。「説明を聞いていろいろ思い当たることがあり、自分の身体についてよく知ることができた」とも話した。

 

畳の部屋

畳の部屋でリラックスして施術を受ける

 

 それぞれの思い

 

 どうしてこの4人が繋がったのか、川北さんに尋ねた。
 「東久留米、清瀬、ひばりが丘などのイベントで顔見知りになっていました。4人が同時に出店していたのは、ひばりが丘団地のピピ通り商店街のサンデーマーケットです」

 

 地域の色々なイベントに出店を重ねる中で、一緒にやってみようと思える仲間に出会った。それぞれが別の仲間を連れて、4人になった、と明かしてくれた。「みんな方向性はちがう。共通しているのは『お客様に喜んでいただきたい』ということなの」と語った。

 

 川北さんは他に仕事をしながら、ハンドメイドやウサギの保護活動をしている。気持ちを切り替えて、良いバランスを保つことで両方を楽しくできる、と話した。

 

「夜なべ兎」コーナー

うさぎや魚も登場。「夜なべ兎」コーナー

 

 宮さんは東久留米出身。「今日は子どもの幼稚園でのママ友や昔からの友人が訪れてくれてとても嬉しい」と話した。子どもが学校や幼稚園に行っている時間帯が出かけやすい、という経験から、このイベントも平日の午前中からの開催にしている、という。

 

 来てくれたお客さんとゆっくり話ができたり、作品を手にとってみていただくことができて、自分が楽しいと思える。それが一番と話した。「何か自分の中で変化はありますか?」と尋ねると「私は人見知りなので」と意外な言葉を発した。このイベントをやりながら少しずつ勇気を出し、知らない人にも知ってもらうようになったかな」と照れるように笑った。

 

 施術のお二人は予約を受けていて、次々と時間にお客さんがくる。合間に少しだけ原さんに話を聞くことができた。

 

 「コロナ禍でこういうイベントもなかなかできなかった。自分で自分のケアをして身体の調子を整えてもらうためのものを販売するようになった」とテーブルの上の「ひのきボール」などを説明してくれた。技術の無い人でもこれを使うとマッサージ効果やツボ押しの効果があるという。試しに「ひのきボール」を腕に乗せ転がすと気持ちが良かった。ヒノキの香りと木の弾力や触感が気持ち良さに一役買うということだ。

 

 「小さな規模で、やりやすい面もある。広く広報するのではなく、顔の見える関係を築くことでリピートのお客さんも生まれる」と語った。

 

 地元でつながる温かさ

 

 「cocokara」は4月10日、14日に西武池袋線ひばりヶ丘駅近くの「ムサシノバルひばりヶ丘店」で始まった。6月9日は今回と同じ「スペース77」で開かれる予定だ。小さな繋がりを重ねることで、地元を活気づけ、訪れた人には地元愛も生まれることだろう。

 

 ロゴに描かれた4色の風船はメンバー4人のテーマカラーだそうだ。どの色がどの人か想像するのも楽しい。

 

「cocokara」メンバー

「cocokara」の4人

 

 帰りに1階の「ケーキ工房シャモア」に寄った。昔からある生チョコ「落合の小石」を買うと、店の人に「今日は2階でハンドメイドとリラクゼーションをやっているのよ。寄ってみて」と勧められた。この感じこそ「cocokara」の温かさ、と感じて思わず頬がゆるんだ。

 

【関連情報】
・yonabeusagi 夜なべ兎(Instagram
・耳つぼLove_eggs(HP
・足もみ すみちゃん(facebook
・HARETANE* (HP

 

渡邉篤子
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