コロナワクチンの効果と睡眠の関係探る NCNP病院が臨床研究への協力者募集

投稿者: カテゴリー: 新型コロナウイルス健康・福祉 オン 2021年8月2日

 新型コロナワクチンが十分な効果を発揮するには睡眠の確保が必要か――。小平市の国立精神・神経医療研究センター病院(NCNP病院)は7月30日、新型コロナワクチンの効果と睡眠の関係を明らかにするための臨床研究に協力する参加者の募集を始めた。

 

 ワクチンが最大限の効果を発揮するには十分な睡眠が必要であることは、これまで他のワクチン研究で報告されている。例えばインフルエンザワクチンの接種時に通常の半分しか睡眠を取っていない場合、ワクチン効果が半減したとの研究結果がある。新型コロナワクチンと睡眠時間との関係はまだ解明されておらず、NCNP病院の睡眠障害センターは公式サイトなどを通じて臨床研究への協力者募集を始めた。

 

 対象は他の病院で新型コロナワクチン接種を予定している20歳以上60歳未満の男女。1回目接種前に睡眠に関するアンケートを取ったうえ、2回目接種後2週間までの約5週間、活動量計を携帯し、睡眠日誌をつけてもらう。最後に採血して十分な免疫があるかどうか抗体価を測定し、ワクチン効果と接種後の睡眠時間に有意差があるかどうかを調べる。

 

 来院は最初と最後の2回。同病院でワクチンの用意はしていない。薬物療法を要する慢性疾患がある人、新型コロナにかかったことがある人、コロナワクチンを接種済みの人、1カ月以内に他のワクチンを接種した人は参加できない。守秘義務は厳守し、協力者には負担軽減費として1万円相当を渡すとともに、希望者には研究で調べた抗体価を伝える。協力者は60人を目標とし、目標に到達次第研究を終え、成果が得られれば学術雑誌や公式サイトを通じて発表する。

 

 研究担当者の睡眠障害センター・伊豆原宗人医師は「コロナでもワクチンと睡眠の関係を裏付けることができれば、ワクチン接種の際に十分な睡眠を確保するよう勧める指針を策定し、感染流行の早期終息に貢献できるのではないか」と期待している。
(片岡義博)

 

【関連情報】
・COVID-19ワクチン接種後の抗体価と睡眠についての調査研究へのご協力のお願い(NCNP病院
・UMIN-CTR 臨床試験登録情報の閲覧(UMIN

 

【筆者略歴】
片岡義博(かたおか・よしひろ)
 共同通信社文化部記者から2007年、フリーに。小平市在住。

 

(Visited 1,733 times, 1 visits today)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA