傍聴席

座談会「傍聴席から見た議会」 みんなの議会をもっと身近に

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2021年10月18日

 

決算論議で足りなかったこと

 

北嶋 時間が迫ってますが、ほかにこれだけは取り上げたいということはありませんか。

土井 私は決算委員会で、トータルの予算、決算についての質疑がなかったのが残念ですね。

北嶋 そうですね。ある職員からも同じことを言われました。

土井 いつもは納田さんがよく指摘してきましたけど。

北嶋 税収はいくらだったか。前年に比べて多かったか少なかったのか。経常収支比率、公債費負担比率、健全化判断比率なども詰めた議論を聞きたいと思いました。
 決算というと、どうしても予算の無駄遣いをチェックすることに関心が集中します。それはとても大事な仕事ではあるけれど、一方で決算ですから、財政事情の診断も必要じゃないかと思いました。
 令和2年度の当初予算は確か720億円ぐらい。今年3月の12号補正で最終的には一般会計予算は1060億円になって、結局340億円ぐらい増えました。増えた分のうち多くがコロナ対策費で 約240億円。そのうち西東京の独自財源が4000万円ぐらい…。こういう数字の意味を解いてほしかった。

 

決算書

西東京市の2020年度(令和2年度)一般会計決算書

 

出来ることを一つずつ

 

北嶋 あとは…。

小林 私が感じたのは、池澤市長さんは「子供がど真ん中」と言ってる割には、子供に対するお金の使い方ケチケチしてる(笑)。プレミアム商品券のような施策に比べると単位が小さすぎる気がします。国や都からお金が入ってきて、市の持ち出しがすごく少なく済んでるからかもしれないけど、 市長さんが自分はこういう姿勢でやりますって言っている割には、コロナ対策も子供の施策についても、なんか中途半端なんです。何をやりたくて市長になったのかなあ…というのが、最終日に丸1日粘って聞いた感想でしたね。
 (最終日に介護保険料年金引き落としの誤請求に関する減給条例の提案理由を説明した際)市長が壇上で頭を下げたとき、ひな壇にいた全員が頭下げてすみませんでしたとなったけど、本心からそうなの? という感じもありました。事務処理ミスの再発防止策の発表もなく、具体的になにをするのかと言えば、減給しますと。え? それで再発防止策はどうなるの? という印象でした。
 全員がひな壇で頭下げたのも、録画だと市長さんが一人で頭下げてる動画しか流れてなかったし、やっぱり生で見るのは大事だなと思います。

根本 一人の市民として何が出来るかを考えますね。陳情とか請願とか大上段に振りかぶることもいいのですが、予算、決算特別委員会のインターネット中継がどうやったら実現できるのか。いろんな下ごしらえが必要かなと思います。嘆き、悲しみ、あとは文句を並べるだけだと事態は変わりません。個別に具体的な実現事例を積み重ねたいですね。
 市民の権利として陳情を出したり 開示請求したりするのも、それをやることが目的じゃないので、それをやって実現させなきゃいけない。 ネット中継を具現化するために、いろんな人に話を聞きながら、少しずつアクションを起こす。 市民がそういうステージに入ると具体的に変わるのではないでしょうか。一個でもいいから何か前進して実績として、自らがやったことによって例えば傍聴の際の保育が実現した、特別委員会がインターネット中継になりました、そんなふうに実現させることが一番重要かなって思うんです。

北嶋 仲村さんどうですか。

仲村  「核兵器禁止条約の署名、批准を日本政府に要請する意見書」が不採択になりました。 これは夢のようなことかもしれないけれども、陳情書を提出した市民が議場で意見を言う、それに対して議員が質問する。そういう双方向の遣り取りが出来ると、議会もちょっと変わってくるのかなと思っています。

土井 それは前例がありますよ。ゴミ問題で、陳状を出した方に来てもらって委員会で意見を聞いたことがありましたよ。

北嶋 議会活動に対する市民の声を受けとめたいという議員の方々もいます。いくつかの自治体では議会が、議会報告会を開いたり、その基になる議会基本条例を制定して市民と対話、交流するとか、やっているところはやっています。
 今言われたように、個別の案件が一つずつ実現できたら、また何かが変わってくる。 せっかく市長選挙を通じて いろんな方が改めて市政を考え始めたわけですから、このまましぼんでお終いになるんじゃ、ちょっともったいない。何か一つ実現することが次のエネル ギーにつながって、それがまた別の良い結果をもたらす好循環になるといいなと思います。そう考え、その最初の手掛かりになればと思って今回の 座談会を企画しました。
 傍聴席にもっといろんな方が集まって、幅広く、闊達に話し合いたいですね。本日はありがとうございました。(2021年10月3日、zoom 座談会)
(了)

出席者:根本尚之(会社員)、仲村靖恵(西東京・みんなの会)、小林道子(団体職員)、竹之内あかね(ハハマナブ)、土井節子(西東京・みんなの会)(発言順)司会:北嶋孝(「ひばりタイムス」編集長)

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座談会「傍聴席から見た議会」 みんなの議会をもっと身近に」への2件のフィードバック

  1. 1

    皮肉ですが、あの中傷ポスターが皆さんに市政への関心を高めたのですね。
    ハハマナブの候補者一人一人のインタビューは、とても衝撃でした。新しい方たちによる新しい動きがとても新鮮で好感持てました。あのインタビューを聞いて、あぁ、政治家は、ビジョンを語り、実務家は、そつないけど自分からは何もしないということなのだなぁと良く分かりました。もちろん、ビジョンを描いても、実現してくれるかどうかは、別ですが。
    座談会の中にありましたように、中継でも、子連れでも、何か一つ実績を上げて、新しい風を呼び起こして下さい(^^♪ 私は、国が決めるのをこなすのに精いっぱいの地方行政には、少しうんざりしています。でも、市民や議員や行政人がこのまちをどうしたいのか、ビジョンを持ち、議論しあい、何か一歩でも進められれば、違った姿が見えてくるように思います。若い息吹に期待します。

  2. 2

    「決算論議で足りなかったこと」の節で、北嶋発言に誤りがありました。決算特別委員会の委員長は大竹敦子議員(共産)でした。納田里織議員は9月27日開催の予算特別委員会の委員長でした。お二人を始め関係者のみなさまにご迷惑をおかけいたしました。関係箇所を削除し、お詫びします。(北嶋)

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