意見、疑義続出の初会合 合築複合化基本プラン策定懇

投稿者: カテゴリー: 市政・選挙 オン 2015年8月3日

 西東京市民会館、中央図書館、田無公民館の「合築複合化基本プラン策定懇談会」の初会合が7月30日(木)、田無庁舎5階会議室で開かれた。冒頭から懇談会の性格や取り上げる議題、枠組みなどで意見や疑義が次々に表明され、大揺れの船出とも言える初会合となった。

 

中央図書館と田無公民館

西東京市中央図書館(手前)と田無公民館(後)は移転する?

 

「縛り」をかけるのか

 懇談会はまず、武蔵野大学工学部建築デザイン学科教授の伊村則子さんを座長に選出。市民会館利用団体の代表者、市文化芸術振興推進委員、社会教育委員、公民館運営審議会委員、図書館協議会委員らの自己紹介が続いた。市側の担当者が懇談会を開く趣旨を手短に述べ、3館の現状と課題をスライドに基づいて説明して話し合いに入った。

 中身に立ち入るに入る前に、前提条件が議論になった。
 「市民会館の敷地に図書館と公民館を移転させる計画に異論は出ていませんか」「3館合築プランを前提にするとの『縛り』をかけた上で話し合うのか」「懇談会の性格が曖昧。審議会や委員会ではないので答申もできない。言いっ放しの会合ですか」「図書館や公民館を移転させるのに、市民の同意を得ているのか」…。出席者から矢継ぎ早に質問と疑義が出た。

 3館合築複合化は今年3月作成の「庁舎統合方針(案)」のなかで明らかになった。図書館・公民館は市民会館敷地の新施設に移り、取り壊す保谷庁舎の主な機能をその後に移転、配置する内容だった。

 市側は「みなさんの話し合いで意見を出していただき、新しい施設の基本プランを作り上げたい」「老朽化した市民会館の場所に、3館を合わせた新しい施設を造るのが市の考え方。その基本プランに向けた懇談会であることを理解してほしい」「財政状況が厳しく、公共施設の総量を抑制するとの方針が今回の合築の背景にあります。未来の子どもたちのためにも、新しい施設のプランを考えてほしい」などと述べた。

 しかし質問は入れ替わり立ち代わり続いた。
 「今回の合築プランは、使い勝手のよい二つの施設を、使い勝手の悪い場所に移す、ということですか。庁舎移転のために邪魔なものを移す、という発想がおかしいのではないか」「図書館と公民館がある場所に、市民会館を持って来ることは出来ないのか」などなど…。

 

西東京市民会館(西東京市田無町四丁目)

合築複合化の移転先と想定されている西東京市民会館(田無町四丁目)

 

 「新しい施設は、3館合計より狭くなる。図書館の面積が足りないと言っているのにわざわざ3館を狭いところに合築するのは無理がある。図書館は利便性のあるところにあるのがいい。経済成長の時代ではないから、少ない経費で末永く施設を使うことを考えてほしい」。こう発言したのは一級建築士だった。

 図書館と公民館は西武新宿線田無駅から「徒歩3分」。「駅隣接」が「特徴」でもある。いま脚光を浴びている「まちづくり」の多くは、大勢の人が集まる「賑わい施設」を駅前や繁華街などに集中する考え方をとっている。わざわざ周辺に移す方針がしっくりこなかったのかもしれない。

 

運営形態と使用料は

 会議の半ばに差し掛かったころ、座長の伊村さんが「少子高齢時代が来るので、次世代によい施設を残したい。そのためにも長いスパンで考え、建設的な会にしたい」とひとまず舵を切った。

 ここで市側が用意した資料に基づきながら、「基本プラン」の説明に入った。「全体のコンセプト」は、「どのような場になることを期待するかが要の部分。全体的なイメージ、雰囲気、環境などに着目したフレーズで、比較的コンパクトに構成する」とした。さらに「キーワード」を挙げ、新施設の機能、要件、サービスなど「施設の内容」も説明。「複合施設の新しいイメージを作ってほしい」と述べた。

 ある委員が「総合的なイメージから入るよりも、具体的に必要な機能などを出し合ってみてはどうか」と提案。各論になった。

 別の委員が施設利用の体験から、「まず使いやすくて交通に便利な施設を探し、ダメならちょっと遠くて有料の市民会館を予約する」などと語り、「複合施設は有料にするのか、公民館や図書館のように無料にするのか」と問いかけた。市側が「その問題をここ(利用者懇談会)で話し合うことは考えていない」と回答すると、会場から「えーっ!」と言う声が一斉に上がった。驚きと悲鳴とため息。これらが入り交じったように響いた。

 「公共施設で、指定管理者制度が実施される場合がある。今度の施設はどうなるのか。ここを皮切りにほかの施設も指定管理者制度になるのではないか」との質問も出た。市側は、「運営形態や使用料の問題をここで取り上げることは考えていない」と述べた。
 市側は主に、生活文化スポーツ部文化振興課の田中彰課長と教育部図書館の奈良登喜江館長が説明した。

 「新しい発想で新しい施設を、これからの議論で造りたい」などの意見を踏まえて、座長の伊村さんが「施設には建物の寿命、使い勝手の寿命がある。豊島区役所は高層ビルの上を住居にして建設費用を節約する。(国立児童センター)こどもの城は今年2月、閉館になった。どんな施設にするかは西東京市民の考え方次第。どんな施設が本来あるべきなのか、議論できる場になれば、と考えます」と発言し、2時間余りの会合を締めくくった。

 

受け皿と合築の推移

 市は6月初め「合築複合化基本プラン策定支援業務」の委託先を公募。企画提案書などの提出を求め(一次選考)、プレゼンテーション審査(二次選考)した上で、乃村工藝社を選定した。公共施設の空間デザインやコンサルティング、指定管理者制度の下で運営受託事業も手がける業界トップ級の企業だ。「基本プラン」の受け皿は既に用意されている。

 合築問題、特に中央図書館・田無公民館の移転は、「庁舎統合方針(案)」の前提になっている。議会でも議論が沸騰。庁舎統合方針検討特別委員会でも議論されるなど、現在進行形の案件だ。

 中央図書館・田無公民館の改修問題は以前から議論されてきた。
 2006年(平成18年)3月、西東京市公民館・図書館施設整備懇談会が「提言」をまとめた。その冒頭(「はじめに」)で、「老朽化が進み、手狭となっている田無公民館・中央図書館について、現状施設を再活用し利用しやすい施設に生まれ変わらせるリニューアルの方向性を示したい」と述べている。その上で、中央図書館・田無公民館の現状と課題を整理し、リニューアル要件を具体的に列挙。改修後の各階の平面図なども明示した「リニューアル案」を公表した。

 5年後の2011年(平成23年)11月の「公共施設の適正配置等に関する基本計画」では、「市民会館との合築・複合化も選択肢に含めて検討します」と新しい方向が示され、「用地活用等の観点から、同一敷地内にある本庁舎の統合整備の問題と整合性を確保していく必要があると考えられるため、相互に連携しながら一体的に検討を進めていく」ことになった。

 こういう推移から「3館合築複合化」計画が進み、場所が特定され(市民会館敷地)、「庁舎統合方針(案)」が生まれた。

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 この初会合を含め、懇談会は計6回。年末の「基本プラン策定」に向けたスケジュールと大まかな議題が報告され、目標と航路は設定された。初会合が、よくある「ガス抜き」現象なのか。これから穏やかな船旅になるのか。霧が晴れてみないと、まだはっきりしない。次回は、8月18日(火)午後2時から田無庁舎5階503号室。
(北嶋孝)

 

【関連情報】
・合築複合化基本プラン策定懇談会(西東京市Web
合築複合化基本プラン策定支援業務に係る委託事業者選定結果(平成27年6月29日選定)リンク切れ(西東京市Web、2024/03/22確認)
・西東京市公民館・図書館の施設整備について(提言)(平成18年3月 西東京市公民館・図書館の施設整備懇談会)(西東京市Web
・庁舎統合方針(案)(平成27年3月)(西東京市web

 

 

北嶋孝
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