「違法ビラ」告発は「不起訴」 西東京市長選で東京地検立川支部
2021年2月の西東京市長選挙で公職選挙法違反とされたビラが撒かれた件で、東京地検立川支部は告発されていた政治団体代表らを不起訴とした。告発人のもとに届いた12月6日付けの「処分通知書」で明らかになった。
西東京市長選の終盤、池澤隆史候補(現市長)を支持する政治団体「明日の西東京を創る会」(指田純代表)が配布したビラ2枚が問題になった。1枚では「逗子での失敗のリベンジは逗子市でやってください。ここは西東京市です」とのスローガンを大書して相手候補の前逗子市長を批判。もう1枚では、池澤候補の公約を掲げて「前副市長」と明示した。選挙は池澤候補が34,299票を獲得して当選。次点は前逗子市長で32,785票。1,514票の僅差だった。
選挙無効が争われた裁判で東京高裁は2021年11月に訴えを棄却したが、ビラはともに、公職選挙法で禁じている「氏名類推事項」(201条の9第2項)が記載されていると違反を認定した。このため「違法ビラ」を発行した団体代表を市民が告発していた。
告発状は2022年4月、ビラ発行元の指田代表を相手に田無署に提出された。不起訴処分を知らせる12月6日付けの通知書は、被疑者が「指田純ほか4名」となっていた。
告発人の西東京市の山口あずささんは担当検事と電話でやり取りした。「不起訴処分の理由は『嫌疑不十分』でした。犯罪はあったが、誰かを罰するには不十分ということではないでしょうか。『ほか4名』が誰かも明らかにしない」と言う。今後の対応については「検察審査会への申し立ても視野に入れ、一緒に異議申し立てをした市民のみなさんと相談して考えたい」と話した。
(北嶋孝)
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