関のボロ市

関のボロ市開く 2日間で4万3000人

投稿者: カテゴリー: 暮らし文化 オン 2014年12月11日

 師走の訪れを告げる恒例の「関のボロ市」が(2014年)12月9日と10日の2日間、練馬区関町北の日蓮宗本立寺(ほんりゅうじ)の門前で開かれた。日蓮聖人の命日(9日)をしのぶお会式(法要)にあわせて江戸時代中期から約270年あまり続いてきた伝統行事。9日夜の万灯行列では花万灯や纏を中心に、檀徒や一般参加者が寺周辺を練り歩いた。今年も約280の露店が並び、2日間で約4万3000人(石神井警察署)が集まった。

 

 

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写真は、いずれも関のボロ市(12月9日撮影。© ノースアイランド舎)

 

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 西武新宿線武蔵関駅北口に出ると、もう露店が並んでい。「関のボロ市」の幟が立ち、狭い通りを子ども連れの家族らが両側の店をのぞく。「いらっしゃい!」「さあ、おいしいよ」。夕暮れ時に威勢のいい声が飛び交っている。

 出かけたのが9日午後4時過ぎだった。人込みをかき分けて進むと、売り物を原色で大書した幟や看板がひしめいている。本立寺と、隣接する東京女子学院を囲むように、多くの出店が並ぶ。見て回ったら、おなじみの店がずらり-。焼きそば、お好み焼き、たこ焼き、唐揚げ、フランクフルトソーセージ、いか焼き…。鉄板で仕上げる食べものが多い。フルーツ飴、チョコレートバナナ、カステラ、からみ餅などのお菓子系も目に付く。スーパーボールすくいや妖怪ウオッチなどのおもちゃ系は押され気味だった。

 「昔は古着屋とか農作業の道具を並べたりする店も多かったんですけどね」(本立寺)。サーカス小屋や芝居小屋も立ったという戦前の賑わいはない。古着屋は一軒だけ。農具の陳列はなかった。ここならではの特色ある露店が見当たらない。パック旅行さながら、露店集団が連れだってあちこちの「市」を巡っているのかもしれない。これがいまの時代の賑わいなのだろうか。

 この日は時間に余裕がなくて、1時間ほどで引き揚げた。夜の万灯行列を見られなかったのが悔しい。長い傘に花飾り。それに電飾を付けた花万灯を見たかった。雰囲気を盛り上げる鉦や太鼓。夜空に突き上げる纏(まとい)。練り歩く檀徒や一般客の姿こそ、関のボロ市らしさの象徴だったのかもしれない。よし、来年こそ見よう。帰りの電車のなかで、そう思った。
(北嶋孝)

 

北嶋孝
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