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演劇評論家の扇田昭彦さん死去 西東京市芝久保町在住

By in 芸術・文化, お悔やみ on 2015年5月25日

扇田昭彦さん 現代日本演劇の評論分野に強い影響を与えてきた西東京市芝久保町在住の演劇評論家、扇田昭彦さんが5月22日午後9時すぎ、悪性リンパ腫のため東京都小平市の病院で死去した。74歳だった。今年4月ごろ不調を訴え、5月半ばに入院して1週間あまりで急逝した。近親者のみで葬儀。喪主は俳優、演出家の長男拓也さん。お別れの会は7月6日(月)午後6時30分から豊島区池袋の東京芸術劇場中ホールで開く。

 扇田さんは1940年東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。朝日新聞入社後は、学芸部記者、編集委員として演劇を担当した。長年の内外取材に裏付けられた評論、劇評が多い。特に70年前後に生まれたアングラ演劇、小劇場に着目し、いちはやくその意義を指摘。鈴木忠志と早稲田小劇場、寺山修司と天井桟敷、唐十郎と状況劇場、佐藤信らと黒テント、蜷川幸雄、別役実らの活動を精力的に紹介した。その後も、つかこうへい、野田秀樹、井上ひさしら、最近では藤田貴大とマームとジプシーまで、緻密な取材と綿密な分析を基に現代演劇の流れと方向、その特質や変貌を明らかにした。

 静岡文化芸術大学教授を務めたほか、早稲田大学、武蔵野美術大学などで教壇に立ち、国際演劇評論家協会日本センター会長、NHKテレビの演劇番組の司会も。東京芸術劇場で開いた「劇評を書くセミナー」(ワンダーランド主催)の講師、高校生劇評グランプリの審査委員長を務め、若い世代に演劇の魅力と劇評の重要性を伝え続けた。

 演劇関係の著作も多い。「日本の現代演劇」(岩波新書)は現代演劇の見方を決定づけたと言われる労作。芸術選奨文部大臣新人賞を受賞した「現代演劇の航海」( リブロポート)は70年代、80年代公演の貴重な劇評集。「劇的ルネッサンス」( リブロポート)「劇談―現代演劇の潮流」(小学館)「才能の森―現代演劇の創り手たち (朝日選書)などは劇作家、演出家らのインタビューを通じて現代演劇の軌跡を浮き彫りにした。ほかに「唐十郎の劇世界」(右文書院)「蜷川幸雄の劇世界」( 朝日新聞出版)「井上ひさしの劇世界」(国書刊行会)など。「ミュージカルの時代 魅惑の舞台を解き明かす」(キネマ旬報社)「舞台は語る ―現代演劇とミュージカルの見方」(集英社新書) で内外のミュージカルを取り上げた。
(北嶋孝)

【関連リンク】
・劇評を書くセミナー2014/15 東京芸術劇場編第6回「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~」
 講師:扇田昭彦さん
>> http://www.wonderlands.jp/seminar2014/mt06/

・高校生劇評グランプリ
>> https://www.hs-theatrereview-gp.jp/result02/index.html

 

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