向台小で卒業を祝う「黒板ジャック」 武蔵野美大生のアート作品

投稿者: カテゴリー: 子育て・教育文化 オン 2018年3月29日

絵を説明する武蔵野美術大学生の作者

 西東京市立向台小学校で3月22日、武蔵野美術大学の学生が、卒業する6年生に向け、黒板いっぱいに色とりどりのチョークで絵を描く「黒板ジャック」を行った。

 

 卒業式前日の22日午後2時頃、学生6人が同校を訪れ、誰もいない6年1組から4組の4つの教室に分かれ、それぞれ作品制作を始めた。

 

 1組の教室では、黒板の左半分に瞳が輝く女の子の顔が描かれていた。小学生の頃から大学でも描いている漫画の女の子の絵に作者自身を投影し、卒業生が将来やりたいことが実現できるようにとの思いが込められている。

 

6年1組 女の子の瞳

 

 2組は、雄大な富士山の景色。青、白、緑など10色以上使い、富士山の陰影などにこだわっている。油絵学科2年の佐藤裕乃さんは、「一目で分かりやすく綺麗な絵を描きたかった。富士山のように広い心で余裕をもってしっかり進んでほしい」と話していた。

 

6年2組 富士山の景色

 

 3組は、さまざまな種類の動物たちが同校から飛び立つようすが描かれていた。特に明日を見つめている、というペンギンの目が印象的。描き進めるうちに人や動物に生命が注ぎ込まれた。また動物たちの周りには紙吹雪が舞い、華やかな祝いムードを演出していた。

 

6年3組 明日を見つめて翔ぶペンギン

 

 4組の絵は、白い大きなクジラにクラス30人全員の児童が乗って星空を飛んでいる。担任の先生も登場。卒業に因み「旅立ち」をイメージしたという。綿のような雲は、チョークの側面を使い周辺を手でぼかし立体的に表現している。

 

6年4組 クジラに乗るこどもたち

クジラの絵に見入る卒業生

 
 作品はどれも4時間以上かけて完成させた。 

 

 卒業式当日、教室に入ってきた子どもたちは「すごい!誰が描いたの」と歓声を上げ、教室を移動してそれぞれの作品を見比べていた。「自分の教室の絵が一番好き」と話す子どもや黒板に近づき作品を見入る子どもなどもいた。

 式典終了後は、黒板ジャック最後の作業。子どもらは黒板の絵を惜しそうに消した。

 

 今回の学生リーダー、油絵学科版画専攻4年の神谷夏帆さんは、「6年生たちに喜んでもらえて嬉しかった。この4月からは小学校の教員になるのでよい経験になりました」と笑顔をみせた。

 

 向台小学校では昨年6月から、同大学に呼びかけ、学生から図工の授業で絵の描き方や工作のポイントなどの補助指導を受けている。「黒板ジャック」は、同大学の学生が全国各地の小中学校で授業を実施する「旅するムサビプロジェクト」の一環として実施されている。

 

 向台小学校の山縣弘典校長は「黒板ジャックは今年度の学生との連携教育の集大成になったと思います。専門性がある学生が子どもたちに自然に溶け込んでくれるのがいい。校内だけでなく、外の風を入れることが求められいます。学校から発信することが大切です」と話していた。
(柿本珠枝)

 

【関連リンク】
・西東京市立向台小学校(HP
・黒板ジャックギャラリー(旅するムサビプロジェクト

 

【筆者略歴】
柿本珠枝(かきもと・たまえ)
 旧保谷市で育ち、現在西東京市田無町在住。1998年(株)エフエム西東京開局から携わり、行政や医療番組、防災、選挙特番など担当。地域に根差した記者としても活動している。

 

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