ご近所も出入り、交流が楽しい納涼祭 在宅介護・医療の拠点、日生ケアヴィレッジ
ひばりが丘団地の一角に、日生ケアヴィレッジひばりが丘の施設群があるのをご存じでしょうか。サービス付き高齢者住宅や診療所、調剤薬局、訪問介護・看護事業所、小規模多機能ホーム、グループホームなどが集まっています。ご近所との交流やシニアの人たちの様子はどうなのか-。9月末の納涼祭に出掛けた渡邉篤子さんの報告です。(編集部)(写真は、日生ケアヴィレッジひばりが丘のカラフルな看板)
雨の納涼祭
西東京市ひばりが丘3丁目にある日生ケアヴィレッジひばりが丘で9月29日、第5回納涼祭が行なわれた。
小規模多機能ホームのフロアはカラフルな法被を着た人、浴衣姿の人でいっぱい。色とりどりの飾りが、生憎の雨も忘れるほど、お祭り気分を盛り上げる。
祭は午前10時30分、盆踊り大会からスタートした。ひばりが丘団地の盆踊りクラブ「あけぼの会」から6人が参加。そろいの浴衣で踊りをリードする。
「炭坑節」「東京音頭」「きよしのズンドコ節」の3曲。事前に「あけぼの会」のメンバーの指導による練習会も行なわれた。ホームの朝の会でも練習した。
初めて参加したと言う「あけぼの会」のメンバーの一人は「皆さんが、一生懸命踊ってくれて嬉しかった」「盆踊りが、この施設を訪れるきっかけとなった」と話した。
盆踊り大会はホームの利用者さん、職員、ひばりが丘団地自治会の皆さん、あけぼの会の皆さん、全員での記念撮影で締めくくられた。
盆踊り大会の会場は、午後はフリーマーケットの会場となった。近隣のマンションにも
品物募集のチラシが投函され、多くの品物が集まった。
「お得」な品物が沢山。おまけもしてくれる。フリーマーケットがお目当ての来場者もいて、場内は更に活気が増した。
準備ができたブースからゲーム大会が始まる。子どもも大人も「輪投げ」「キックボーリング」「宝釣り」「ヨーヨー釣り」と次々挑戦している。
見事、ヨーヨーを釣った男の子の両親に話を聞いた。
「近くのマンションに住んでいる。この施設に知り合いがいる訳ではないが、チラシを見て、面白そうなので来てみた」と笑顔で語った。
グループホームのスペースでは「屋台」が設けられた。カレーライス、唐揚げ、たこやき等が次々と売れていた。ゲームやフリーマーケットのスタッフも交代に休憩に来る。おしゃべりも弾み、一段と賑やかだ。
午後2時になると三線と歌のコンサートが始まった。沖縄の楽器である三線と沖縄民謡、沖縄出身の歌手の歌「島唄」「花」等が演奏された。松川秀人さんの歌とトークで次第に観客も声をだしはじめる。松川さんのリードで最後は大きな歌声が会場に響いた。
「日中の部」が終わり、帰り支度をしている小学生に話を聞いた。小学4年生の千葉真優花さん。職員の千葉真由美さんのお子さんだ。「ここには良く来ている。折り紙やぬり絵、ゲームで利用者さんと遊んでいる。楽しいです」と話した。お母さんは「自分の家にはおじいちゃん、おばあちゃんがいないので、ここでの交流が良い経験となっている」と続けた。
「夕方の部」は場所をひばりが丘団地南集会所に移して「日生ケアヴィレッジ」と「ひばりが丘団地」の交流会が行なわれた。
雨にも関わらず、チケットも沢山売れ、丸一日、盛り上がった納涼祭であった。
楽しく、安心、地域と交流
ひばりが丘団地の松林の中に、低層の建物が点在する場所がある。「てらむらクリニック」「日生薬局」「日生小規模多機能ホーム・グループホームひばりが丘」「日生オアシス(サービス付高齢者住宅)」で構成される「日生ケアヴィレッジ」だ。松林と低い建物のせいで、ゆったり、のんびりとした雰囲気が感じられる。
パンフレットによると、「日生ケアヴィレッジひばりが丘は、UR都市機構の『住棟ルネッサンス事業』に株式会社日本生科学研究所が協力して実現した地域の福祉の拠点です」とある。高齢になっても24時間365日、安心して生き生きと暮らす事のできるまち作りを目指して作られた、地域の在宅介護、医療の拠点である。
サービス付高齢者住宅に住む人が、ホームで夕食を一緒にとったり、夜間の体調の変化にはクリニックの医師が対応したり、切れ目のないケアが考えられている。
9月21日に、小規模多機能ホームを見学した。
通いの人が三々五々集まってくる間に、グループホームの施設を訪問した。
歩くと床が柔らかくしなる。フローリングではなく絨毯なので安心感がある。
朝の時間はゆったり、好きな様に過ごす。押し花をしている女性は、先週誕生日プレゼントに貰ったと言う花束の事、米寿の祝いだった事を話した。
個室は一人一人使い慣れた家具や調度品を持ち込むことができる。扉を開けるとリビングが広がり、普通の家のようだ。
厨房では昼ご飯の支度をしていた。「利用者さんにも支度や片付けを手伝ってもらう」とスタッフが言った。
午前10時半位から少しずつ人が集まりはじめた。
西東京市の他のエリアから送迎の車で来る人、グループホームの人、オアシスの人、色々な人が混じっている。朝の会で 何をやるかは、職員が考えたり、利用者のリクエストだったり。今日は「漢字読み方ゲーム」だ。
それぞれのテーブルで、知恵を出し合いながら回答を書いていく。難しい問題は、推測を交えて、勘を働かせて解く。簡単にはギブアップしないところがすごい。
同じテーブルの3人の女性とお茶を飲みながらゲームに興じ、日頃の様子を尋ねた。
「週3回来て、大体同じテーブルにつく。皆さんと会うのが楽しみ」「この方はお住まいがオアシス(隣接するサービス付高齢者住宅)なのよ。近くて羨ましいです」「息子一家が夜いない時は泊まりに来る。本当に安心」「色々なところに出掛けるのよ」などの答えがたくさん返ってきた。
耳に柔らかな鼻濁音の響きが残る。昔は鼻濁音について、厳しく躾けられたと聞いたことがある。尊敬の念を深くした。
ゲームの後は「歌の時間」「体操の時間」盆踊りの練習もした。掛け声がかかり、踊りも気合が入る。納涼祭へのワクワクする気持ちが感じられた。
日生ケアヴィレッジひばりが丘統括管理者の瀨田貴子さんに地域との関わりについて話を聞いた。
「納涼祭はひばりが丘団地自治会と協力して開催する。ひばりが丘団地の『さくら祭り』『夏祭り』には実行委員会に加わって参加している。節分の時季には、利用者さんが幼稚園児に恵方巻きの作り方を教える。地域の団体との交流は盛んに行なわれていて、良い関係が作られていると思う。日頃の活動にも、外出ボランティア、語りの会、南京玉すだれ、生け花、茶道など、地域の住民が大勢関わっている」と話した。
施設を訪れて、話をしたりゲームをしたりしているうちに、穏やかな気持ちになった。
ここのヴィレッジは、ひばりが丘団地のイベントに実行委員として参加し、「まちの健康フェア」という健康や医療に関するセミナーや相談会も開催したりして、積極的に地域とつながりをつくっている。
見ず知らずの訪問者を優しく受入れてくれたシニアの人たちに、また会いにいきたいと思った。
(渡邉篤子)
【関連リンク】
・日生オアシスひばりが丘・日生ケアヴィレッジひばりが丘(日本生命科学研究所)
・ひばりが丘パークヒルズで在宅介護・医療の拠点が完成(UR都市機構+日本生命科学研究所)
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