西東京もフードパントリー! 雪の日、力合わせて「子ども支援」
3月に3回行った府中市のフードパントリー。寄付で集まった食品を、支援が必要な人に配布する仕組みだ。西東京市でもやりたいと駆けずり回った。3月29日(日)午後、市内で子ども食堂を運営している有志が集まり、田無第二分庁舎前でフードパントリーを開くことができた。新型コロナウィルス感染予防で学校が長く休みとなるため、困っている子どもたちへの「食の緊急支援」だった。
31人分の子ども達へ
当日は、あいにくの雪。予報よりもなんだか降っている。コロナ対策で、安全を保つために、少数のメンバーで配布することにした。100人分用意した食品がどれだけ無くなるか。こんな雪だしねぇ。
準備が終わった12時30分頃、1人の男性が来た。無事に渡し終わったあと「このお天気で良く来てくれたね。やった甲斐があったね」とつぶやく声が聞こえた。午後3時までに来たのは18人。子どもの人数に合わせて配布して、合計31人分を配ることができた。
歓声があがるお米とマスク
今回は、配布する袋にチョコレートやラーメンなどの他、おもちゃや鉛筆なども入れた。食品は、ほとんどが海外ネットワークTokyoWestが行ったチャリティー映画会でいただいた寄付金で購入した。おもちゃや鉛筆は市民からの寄付である。自治労職員労働組合も参加してくれて、おいしい福島のジュースが配布物に追加された。
パッキングしたものの他に、お米とマスク、お茶なども準備した。何人もの友人からもらった洗える手作りマスクと、最近手に入りにくいお米には「わー、うれしい」と歓声があがっていた。
いつの時点の学年ですか」
受付に来た18人のうち17人は大人だった。唯一、小学生の男の子が保護者とは別にやって来た。意志の強い澄んだ瞳をしていた。受付表を書きながら、ふと手を止めて「いつの時点の学年ですか」と言う。フードパントリーの日は3月29日。あと3日すると、新しい学年になるからだ。子どもって真っ直ぐで可愛いな、と思うのはこんな時である。質問する姿からもうすぐ6年生になる喜びが伝わってきた。雪の中、フードパントリーに来てくれた男の子は、最高学年として、素敵な6年生になるだろう。
コロナを乗り越えて
府中市のフードパントリーのように、西東京市のフードパントリーも、たくさんの支援の輪で実現できた。「子育て中の家族を応援したい」と思う人達の結晶だ。子育て支援課、職員労働組合、海外ネットワークTokyo west、そして市内の子ども食堂のメンバー。忙しい中、必死にマスクを縫ってくれた友人。ずっと雪かきをしてくれた人達。東村山市から、お米を届けてくれた方もいた。みんな思いはひとつである。
春なのに、寒い。春なのにいつもとは違う。でも今日の心は暖かい。打ち合わせしたわけでもないのに、来てくれた親子に「ありがとう」とみんなが言っていた。辛い苦しいこの時期に、人の役に立ちたいと思う人達がいる。支援を、素直に真っ直ぐ受け止める人達がいる。つながりあうことで、子どもにやさしいまちができていくのだろうと思う一日だった。コロナを乗り越えて「あの日は雪だったね」と思い出話に花を咲かせる日が待ち遠しい。
いつも、子ども食堂を応援してくれる子育て支援課には、場所の確保、広報などでお世話になりました。当日も雪の中、市民の安全を確保するためにびっしょり濡れながら、長い時間、黙々と雪かきをしてくださいました。たくさんの職員の方々、ご協力いただいた市民の皆様、本当にありがとうございました。心から感謝申しあげます。
(石田裕子)
【関連情報】
・映画『美味しいごはん』上映会(2020/2/16 (日) 東京都・西東京市)(HP)
・西東京市子ども食堂ネットワーク「ハピモグ」(HP)
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