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「分裂病」表示が10年間 ひばりが丘図書館の医学書棚

By in 市政・議会 on 2015年7月17日
新しい表示になった書棚。ひばりヶ丘図書館

新しい表示になった書棚の見出し板。ひばりが丘図書館

 図書館の書棚に「見出し板」が差し挟まれている。作家名だったり、図書の分類表示だったり、膨大な図書を整理し、求める本を探し出す案内役を果たしている。西東京市ひばりが丘図書館の医学書棚にあるこの見出し板に、使われなくなった病名「精神分裂病」がほぼ10年間、表示されたままになっていた。指摘を受けて同図書館は7月15日までに表示を変更した。

 西東京市教育部図書館の説明によると、ひばりが丘図書館は1994年(平成6年)にオープンした。10年ほど経って蔵書が増え、書棚の本を探しにくくなったので見出し板を増やして対応した。表示変更したのはその1枚。ラベルライターで打ち出し、透明なアクリル板に貼り付けたお手製だった。表示は「心因・機能的精神病(精神分裂病・躁鬱症など)」と2行に分けて書かれていた。当時作業した職員らが退職して時期は明確ではないが、10年余り前の2004年前後に作製したという。あらたな表示は「統合失調症・うつ病など」となった。

 

旧表示の見出し板

 

 厚生労働省は2002年(平成14年)、日本精神神経学会や精神障害者家族団体などの要望を受けて「精神分裂病」を「統合失調症」にする通知を都道府県に出している。

 同学会や厚労省が変更を検討する過程で、旧病名は「患者の人格の否定につながり、患者・家族に苦痛を与えている。社会的にも偏見、差別、スティグマを助長してノーマライゼイションを阻害し、社会的な予後を不良にしている」などの問題点が指摘されていた。

 西東京市は中央図書館を含めて6館1分室。全体をまとめる市教育部図書館の奈良登喜江館長は「注意を怠っていました。弁解の余地がありません。お詫びするとともに、直ちに表示をあらためました。ひばりが丘以外の図書館も調べましたが、旧病名表示はありませんでした。今後このようなことがないよう、図書館職員、スタッフの研修をしっかりやりたい」と話していた。ひばりが丘図書館は地域館長ら職員4人、嘱託10人体制で運営しているという。

 この問題は、同図書館の利用者が「表示がおかしい」とひばりタイムスに問い合わせたのが発端。「おかしなことに表示を見たとき、『統合失調症』の題名の本が「分裂病」の隣の区分に置かれていた。本の出し入れをしてきた図書館職員やスタッフに基本的な理解がなかったのだろう。利用者も長い間気づかなかったのだろうか」と話していた。

 

【関連リンク】
・これまでの用語変更事例(厚生労働省
・精神分裂病から統合失調症へ―疾病モデルと用語の変遷(公益社団法人日本精神神経学会

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