摂食障害の電話相談ホットラインを初開設 NCNP摂食障害全国支援センターがNCGM国府台病院に
小平市にある国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の摂食障害全国支援センターは2月8日、千葉県市川市の国立国際医療研究センター(NCGM)国府台病院心療内科に摂食障害「相談ほっとライン」 を開設したと発表した。患者や家族からの相談に電話で対応し、摂食障害の早期発見と受診につなげる。こうした電話相談窓口の開設は全国で初めて。(写真は、千葉県の国立国際医療研究センター国府台病院。ホームページから転載)
いわゆる拒食症・過食症などの摂食障害は若い女性に多い疾患で、国内の患者数は22 万人と推定されている。拒食症患者の栄養失調や自殺による死亡率は約5%と精神疾患の中では最も高率となっているが、専門医が少ないうえ治療にも時間がかかるため、専門的な治療を受けられる施設は限られている。
患者は体重が増えることへの不安などから、家族が受診を促しても病院に行かないケースが多く、来院よりも垣根の低い電話相談が初期対応として有効とされる。このため摂食障害全国支援センターは「相談ほっとライン」 の運営を全国で4カ所ある摂食障害支援拠点病院の1つ、NCGM国府台病院心療内科に委託した(その他は東北大学、浜松医科大学、九州大学)。
国府台病院は摂食障害患者の治療で、この5年間の年間入院者数が130〜150 人と全国最大の治療施設。今年1 月11日に相談ほっとラインを開設し、ホームページを公開した。火曜と木曜の午前9時~午後3時に、摂食障害の診療に関わった経験を持つ専用のコーディネーター(保健師)が患者本人の孤独感や不安感、周囲の対応の仕方、受診先などについての相談を受けている。患者本人だけでなく家族、学校関係者、医療・福祉の専門職の相談にも対応しており、既に多い時で1日10件の相談が寄せられているという。
同心療内科の河合啓介診療科長は「私たちも全国各地域の医療機関の実情を十分把握できているわけではない。しかし診療自体はその地域でする必要はあっても、電話相談なら全国を対象に受け付けることができる。患者さんの現在の状況を把握して、適切な医療機関を案内するのもこの窓口の重要な役割と考えている。摂食障害は自分一人で治すのではなく、スタッフのサポートが必要な病気だ。その手助けの一つになればいい。症状が悪化する前に気軽に相談してほしい」と話している。
「相談ほっとライン」は電話047(710)8869。
ホームページには「よくある質問集」やリーフレットを掲載し、情報を提供している。またTwitter、Facebook、Instagram などでも情報を発信している。
(片岡義博)
【関連情報】
・摂食障害全国支援センター:相談ほっとライン(国立国際医療研究センター国府台病院心療内科)
・摂食障害全国支援センター(NCNP)
- 地域報道サイト「はなこタイムス」が新年開設 北多摩北部のニュースを掲載 コミュニティーFMくるめラ社長が運営 - 2023年12月25日
- 「担任教諭と同級生のいじめで不登校に」 いじめ重大事態の児童側、小平市を提訴 市議会で市長が報告 - 2023年11月28日
- 小平市が第3子以降の給食費を無償化 来年1月~3月分を補正予算案に盛り込む - 2023年11月24日