谷戸イチョウ公園に踊りの輪 「還暦アイドル」の昭和歌謡ショーも 4年ぶりに納涼盆踊り大会
西東京市の谷戸イチョウ公園で、地元商店街主催の納涼盆踊り大会が7月21日、22日の両日開かれた。コロナ禍で中止されてから4年ぶりの再開。櫓太鼓が響き、音頭が流れる。日本最年長の「還暦アイドル」と言われる2人組の昭和歌謡ショーも盛り上がり、夜遅くまで踊りの輪が絶えなかった。(写真は金沢俊さん撮影)
2日間とも大会は午後6時から始まった。最初は子どもたちが主役。アンパンマン音頭やアラレちゃん音頭が流れるなか、舞台に駆け上った。周りを見て、保護者らを探す子もいる。舞台に近づいて、声を掛ける大人の姿も目に付いた。
22日は午後6時半過ぎ、「昭和の歌謡ショーが始まります」のアナウンスと音楽をバックに「還暦アイドル」と言われる「myunとyayo~」の2人が登場。いきなり「わたしの彼は左きき」(麻丘めぐみ)が始まる。歌い終わると「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)、「夏の扉」(松田聖子)、「スマイル・フォー・ミー」(河合奈保子)などと続く。第1部の最後はピンク・レディーの「ペッパー警部」と「UFO」だった。第2部は7時半過ぎに始まり、最後はキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」「春一番」で締めくくった。
2人はともに62歳、合わせて124歳。歌の合間に「日本最年長の新人アイドル」「天国に一番近いアイドルで~す」と自己紹介すると、詰めかけた年輩の男性たちから声援が飛ぶ。昭和を彩るアイドルたちの懐かしい歌が興奮と熱気を舞い上げ、色とりどりのテープが思いを乗せてステージに投げ込まれた。
2人の出演には、谷戸商店街協同組合理事で動物病院長、小松哲郎さんの力添えがあった。「たまたま昭和歌謡曲を歌う2人のステージに通っているうちに話すようになり、後援会の話が出て頼まれまして…」。渡された名刺は2枚。1枚目の肩書きは「院長・獣医師」、もう1枚は「myunとyayo~ 後援会会長」だった。
やがて地域の女性らが集まる「季楽会」のメンバーが浴衣姿で舞台に上がり、定番の東京音頭や炭坑節、地元の谷戸音頭や特殊詐欺撲滅音頭などに合わせて、所作鮮やかに踊る。舞台の周りに、大人も子どもも輪を作る。太鼓の打ち手が櫓の上に次々に登る。大会実行委員長で市議の小林達哉さんも、子どもたちにお菓子を配る恒例のイベントが終わったあと、櫓の上でバチを握り、一心に太鼓を叩いていた。
公園南側の道路沿いに20余りの夜店が並んだ。焼きそば、いか焼き、だんご、トウモロコシから、かき氷や綿菓子、金魚すくいもあり、大人も子どもも長い列を作った。夜店の向かいは都営住宅。ひばりが丘団地はその先にある。最寄りのひばりヶ丘駅からは徒歩約5分。天候と地の利にも恵まれて初日は夜10時まで、2日目は9時半まで、公園は家族連れなど大勢の人たちで賑わった。
主催の谷戸商協は1970年に設立、今年で53年になる。イチョウ公園の盆踊り大会は1987年夏に始まり、2020年のコロナ禍に見舞われるまで続いてきた。中止期間中に閉店、廃業が相次いだ。組合理事長の山田章さんは「高齢や継承などの問題はありますが、コロナ禍は痛手でした。約90人だった組合員が20人以上減った。でも頑張ります。盆踊りも続けますよ。この地域の方々から『谷戸がふるさと』と言ってもらいたいですから」と力を込めた。組合の合い言葉は「街ごと家族」。大会のあいさつでも「こんなに大勢集まっていただきありがとうございます」と感謝。「谷戸の商店街は頑張ります。これから変わります」と力強く述べた。
(北嶋孝)
【金沢俊さんプロフィール】
2004年 米国ニュージャージー州のMontclair State University卒業、2004年~2019年 WEBデザイン業に従事。2015年 鍵岡龍門氏に写真を学ぶ。2020年 フリーランスカメラマンとして独立。詳しくはwebサイト「SHUN KANAZAWA」参照。
【関連情報】
・納涼盆踊り大会 いよいよ開催です!!(谷戸商店街協同組合サイト「街ごと家族 谷戸商店街」)
・「myunとyayo~」(公式サイト)
・「商店街」夏のイベントのご案内(西東京市Web)
- 情報欄も4月以降の更新停止 - 2024年3月24日
- 『北多摩戦後クロニクル』3月19日発売 「ひばりタイムス」連載記事を書籍化 - 2024年3月8日
- 東京新聞が「ひばりタイムスの10年」紹介 メディアに掲載されたひばりタイムスの活動は… - 2024年2月27日