教師による体罰の再調査を要望 保護者らが小平市に嘆願書 「体罰、暴言で不登校に」
小平市の小学校で教師の体罰や暴言、子どもによるいじめが原因で不登校になった児童の保護者らが「小平市子どもを守る会」を結成し、これまでの市による体罰実態調査が不十分だったとして、第三者機関による再調査を求める嘆願書を9 月4日、小平市長と教育長宛てに提出した。被害児童の中には卒業後の現在も後遺症に悩み、不登校を余儀なくされている家庭もあるという。
児童や保護者らの訴えによると、小平市立小学校で2017年度に2年の担任をしていた男性教諭(当時20代)は「給食を絶対に残してはいけない」といった独自のルールを作り、「前歯を2本折って食べられない」と訴える女子児童に昼休み中も給食を完食することを強要した。女児は男性教諭から日常的にどなられたり叱られたりしていたため、ストレス性の蕁麻疹(じんましん)を発症して以降登校できなくなり、医療機関でストレス性障害、適応障害と診断された。
注意欠如などの「発達特性」がある男子児童は、名前を呼んで一度で返事ができなかったり授業中に鉛筆を落としたりするたびに男性教諭にどなられた。給食で嫌いなコーンを食べることを強要され吐いた時は「おまえは何の役にも立たない」と罵声を浴びせられ、不登校になった。ほかにも胸ぐらをつかまれたり「臭い」と言われたりする児童もいた。
東京都教育委員会は体罰を「教員が、児童・生徒の身体に、直接的又は間接的に、肉体的苦痛を与える行為」と定義し、「暴言や行き過ぎた指導は、体罰概念に含まれないが、体罰と同様に、 教育上不適切な行為であり許されない」としている。
保護者らは男性教諭による体罰や暴言、不適切な指導の実態調査を学校や市教育委員会に再三求め、教諭と校長は2019年3月に謝罪文を交付したが、十分な実態解明や改善策は講じられなかった。
このため女児と保護者は「学校側は教育基本法などが定める児童生徒への安全配慮義務に違反した」として小平市に300万円の損害賠償を求めて提訴した。公判で男性教諭はほとんどの事実を否認したうえ「クラスを引き締めたかった」などと主張。東京地裁立川支部は今年1月の判決で「学校側の措置に不十分な点があったとは言えない」などとして原告の訴えを棄却した。
原告側はこれを不服として控訴するとともに、不登校になった同級生の保護者や、これまでにいじめ防止対策推進法などが定めるいじめの「重大事態」と認定された2児童の保護者らとともに「小平市子どもを守る会」を結成し、「子どもたちの失われた尊厳の回復と教育行政の改善」に向けて活動を始めた。
4日は女児の両親が市役所を訪れ、嘆願書に併せて、裁判所に提出した児童や保護者の陳述書のうち計4通を市教育総務課に提出した。陳述書には女児の同級生らが同様の体罰や不適切な指導に遭っていたことなどを記している。
嘆願書は(1)公正・中立な調査委員からなる第三者機関による体罰実態調査の実施(2)調査方針を事前に被害家庭と協議し、陳述書や学校・市が保有する過去の書面などを基に当時の学校と市教委の管理体制の適否も併せて検証すること(3)調査結果は中間報告を設けてすみやかに被害家庭に報告し、第三者機関による調査と提言を踏まえた市教委の対応について被害家庭と協議すること――などを求めている。嘆願書には小平市の安竹洋平市議、水口かずえ市議が「賛同支援者」として名を連ねている。
嘆願書を受け取った市教育総務課は「あらためて内容をチェック、確認した上で連絡するなど対処していきたい」と応じた。
被害女児の父親は被害女児の父親は「教師による体罰や子どものいじめについては、公正、中立的に認定するシステムを組織内に構築し、関係資料を保存、公開する制度を設けて市の教育行政を健全化してほしい」と話している。
(片岡義博)
【関連情報】
・体罰根絶に向けた総合的な対策の策定について(東京都教育委員会)
・小平市いじめ防止基本方針(小平市)
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前歯が2本も折れているまだ小学2年生の女児が、給食を完食するように強要されたり日常的に怒鳴られたりして、どんなに怖くて悲しく辛い思いを我慢していたかと思うと、胸が苦しくなります。
前歯が2本ない状態の子供に無理やり給食を完食させる行為は、肉体的苦痛を与えるので学校教育法11条で禁止される「体罰」だと思います。したがって、教師がいくらクラスを引き締めたかった等と言い訳をしても、「体罰」なので正当な行為にはならないと思います。
この点について、裁判を起こされる前には担任と校長が謝罪文を交付しているそうですので、
そこでは事実を認めたのだと思います。
提訴されてからすべて否定しているのは随分卑怯な先生と校長先生だと思います。
前歯が2本折れている子供に給食完食を強要させることは、体罰であると同時に強要罪という犯罪にも該当するのではないでしょうか。
また、低学年のお子様が複数名、同一の教師から被害を受けていますが、強要罪の他に暴行罪や、侮辱罪も成立しそうです。(公訴時効はわかりません)
このように、子供にいくら危害を加えても謝罪文を書いてその場しのぎをすれば、あとから裁判を起こされても否定するだけで責任を免れることができると「学習」してしまった教員は、再度同じ体罰や強要等の違法行為を繰り返すのではないか心配です。
小平市は、教員の方もパワハラで亡くなったなど、教員が同僚や子供達を対象に起こすパワハラや虐待とも言える行為について、重大な人権侵害であるという認識が不足しているのではないかと思います。
どうか、小平市には被害者のお子様と、自死された先生の御遺族様へ、真摯な謝罪と十分な物心両面でのケアをお願い申し上げます。
また、一人一人の人権を尊重し、子供達も教職員の方も安心して学校に通える環境を一刻も早くお作りいただけますようにお願い申し上げます。